06:37 2020年02月19日
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人類にはまだチャンスがあるか? 地球のグローバルな環境問題 (198)
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スウェーデンで生まれた環境保護運動「買う恥(スウェーデン語でKöpskam)」が徐々に人気を高めている。このスローガンは何が何でも不買せよと求めているわけではなく、本当に必要なもの以上の衣服や靴を買わないよう訴えている。国連の統計によると、モノの使用期間はこの15年間で半分に短縮したという。その一方で衣服及び靴の生産量は倍増している。つまり、大気に放出される温室効果ガスの量も増えたということだ。しかし、このキャンペーンには異を唱える人々もいる。反対派は「買う恥」運動は世界経済の停滞を招くとの懸念を抱いている。スプートニク通信はこの傾向について詳しく調べてみた。

衣服生産は海上航行より空気を汚す

毎年世界では1000億超の衣料品が生産されている。国連調査によると、ジーンズ1本を作るのに7500リットルの水を使うという。

7500リットルは一人の人間が7年で飲む量に相当、また500万人が年間で生活に使用する量でもある。衣料品生産は世界の温室効果ガスの約10%を占めており、この業界のエネルギー消費量は航空業あるいは海上輸送をも上回る。このことから国連は、人類がファッションの流行を追わず衣服の使用期間を倍にすれば、大気に放出される温室効果ガスは半減するだろうという結論にいたった。

ファーストファッション

「買う恥」運動をグレタ・トゥーンベリさんの「飛ぶのは恥(Flygskamフリュグスカム)」運動に関連付ける人もいる。「飛ぶのは恥」は大量の温室効果ガスによる地球温暖化対策として、飛行機利用をやめる運動だ。

しかしこれら運動の普及が見られるのは発生したスウェーデン国内と一部の環境保護主義者の間だけだ。2008年の世界経済不況による収入減と失業増加により、消費者側はワードローブを安く、しかし頻繁に更新したほうが得だと思うようになった。大手小売業者はこのような社会の気持ちを素早く掴み、安価なファーストファッションが生まれた。環境学者はファーストファッションの衣服や靴、アクセサリーは地球の首を絞めるだけだと考えている。過剰生産という危機である。同時に衣服を使用する期間が著しく短縮した。以前なら修繕していたものを、捨てたほうが簡単だという風潮になった。ほんの数回着ただけで飽きてしまうということもある。

これらを背景に衣料品リサイクルショップの人気が高まっている。マーケティングリサーチ会社のカンター・グループによると、2018年のフランス国民の衣類代は3.6%減少し、リサイクル市場は伸びたという。フランス国民の3割がすでに定期的に中古衣料品を購入している。

一部販売チェーンでは、着なくなった古い衣服を回収し、その分を新しい製品の割引に充てるという商法を始めるようになった。スウェーデンのH&Mが「環境に優しい企業」として先陣を切って再利用を目的とした衣類・靴の回収を始めたのは驚くことではない。カナダのNovel Supply、米国のパタゴニア、その他企業がリサイクル材で作った衣服を謳っている。

エコロジーVSエコノミー

責任ある消費というのは、まず必要以上の衣料品の購入をやめることと考えられているが、上記H&Mのカール・ヨハン・パーソンCEOは、一方で「恐ろしい社会影響」をもたらす可能性があると語る。

衣服の需要減に伴う生産縮小が企業倒産につながる懸念を抱いているのはパーソン氏だけではない。特に失業に追い込まれる可能性があるのは、世界市場にほぼ全ての縫製品を提供している東南アジア諸国だろう。

スコルコヴォ・ロシア経済スクール(New Economic School)のナタリア・ヴォルチコワ教授は、ビジネスの需要変化への適応は当然のプロセスだと語る。「産業界全体は消費傾向に適応せざるを得ない。プラスチック袋を見てみると、環境運動の流れで生産量が落ちている。短期展望で言えば繊維産業が主要な国々にとっては、衣料品の需要減は一定の経済不況につながる可能性がある。しかし長期的に見れば、投資が他部門に流れ、経済成長の復活が見込める。」

こんまり哲学

日本の近藤麻理恵さんによる、不要なモノを捨てる整理術は昨年ネットフリックスでも番組となり放映されたが、その影響で米国では衣類を「善意」ショップや「救済軍」に持ち込む人が2017~2018年に比べて40%増えたという。

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「こんまり」はネットでそう呼ばれるようになったのだが、ときめかなくなったモノは捨てるか他人に渡すというその哲学は非常に人気になった。日本で「こんまり」流に耳を傾けるようになったのは、2011年3月の東日本大震災の後だろう。多くの日本人が人生の価値とそれにおけるモノの価値について考えるようになった。

近藤麻理恵さんのインスタグラムのフォロワー数は既に340万まで増えている。

さて、あなたは服を買うことを抑えて「買う恥」運動に参加する用意がありますか?

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