10:13 2020年07月10日
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2月1日、第26回子ども日本語弁論大会(主催:国際交流基金モスクワ日本文化センター、ロシアCIS日本語教師会)がモスクワ市内の図書館で開催された。ロシア中から集まった小学生から高校生までが日頃の勉強の成果を発揮し、スピーチを行なった。審査の結果、外交官になりたいという夢について発表した高校2年生のアナスタシア・ミケシェワさんが、第二部(上級者の部)で優勝した。

審査は日本語学習歴が2年未満の子どもたちが参加する第一部と、2年以上の学習歴がある経験者が参加する第二部に分かれて行なわれた。第二部は特に、ハイレベルな戦いとなった。

第二部で三位入賞したのは、ペルミからやって来た高校2年生、ダニーラ・ニコラエフさん。絵葉書を通したユニークな日本語学習法について発表した。ニコラエフさんは今までに日本人から絵葉書を7枚受け取った。文通は一見、古典的な手段だが、手書きの漢字を読もうとして漢字を調べると、辞書で同じような漢字がたくさん出てくる。これらの漢字を知ることが、幅広い学習につながっている。ニコラエフさんは、「文通のおかげで日本の知らない場所を知ることができた。いつか名古屋城に行ってみたい」と話している。

二位になった高校1年生のエカテリーナ・トロツェンコさんは、シベリアの都市ノボシビルスクから参加。トロツェンコさんが熱心に日本語を勉強しているのを知った両親が、誕生日にネイティブスピーカーとの会話レッスンをプレゼントしてくれた。そこでの日本人女性との出会いが、日本語学習の大きなモチベーションになったという。

また、入賞は逃したが、サンクトペテルブルクから参加した高校1年生のアナスタシア・ストリャロワさんは、自分の趣味である百人一首について発表した。ストリャロワさんは、地元で行なわれる大会にもたびたび出場している。「なぜか百人一首に興味をもつのは女性ばかり。サンクトペテルブルクには、かるたクイーンはいてもキングはいません」と笑う。ちなみにストラリョワさんの一番好きな歌は、後鳥羽院の「人も惜し 人も恨めし あぢきなく 世を思ふ故に もの思ふ身は」だ。彼の世界観、人間観に共感したという。

  • 審査結果を待つ間に節分の遊び
    審査結果を待つ間に節分の遊び
  • 日本のサックス奏者への愛を語る参加者
    日本のサックス奏者への愛を語る参加者
  • 子ども日本語弁論大会
    子ども日本語弁論大会
  • 第一部で優勝したアレクサンドラ・レピナさん
    第一部で優勝したアレクサンドラ・レピナさん
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審査結果を待つ間に節分の遊び

優勝したミケシェワさんは、ロシアの最高学府であるモスクワ大学アジア・アフリカ研究所で日本について学ぶことを夢見て、日々、国家統一試験の勉強に励んでいる。一般の高校に通い、放課後に週2で日本語スクールに通っている。

ミケシェワさん「出番を待っている間に緊張して震えていましたが、本番では、思ったとおりにスピーチすることができました。この大会で、日本が好きな他の参加者のみんなと知り合って、新しいことをたくさん知りました。将来、もっと日本語を極めて、自分の夢を叶えたいと思います。」

審査にあたったのはロシア人と日本人が2人ずつ。審査は当初予定よりも難航した。

国際交流基金モスクワ日本文化センターの高橋正和所長は、その理由について「非常に難しい審査でした。今回は、出場者間の差が無いくらいレベルが高かったです。なので、そのわずかな差を考慮して、どういう風に順位をつけるかというところでディスカッションがあり、審査に時間がかかってしまいました」と話した。

日本人審査員の有留昭博さんは、過去に2回この大会を見学に来ており、今回初めて審査員として参加した。

有留さん「初めてこの大会に来たとき、ロシア人の子どもたちが、こんなに一生懸命日本語を勉強しているのかと驚き、感動しました。今回は、子どもたちがもっと日本語を勉強したくなるように、彼らのモチベーションを上げるような機会になれば良いなと思って審査に臨みました。もっと出場者や、日本人の観覧者が増えてくれれば嬉しいですね。子どもたちの頑張りは、日本人の方にとっても大きな刺激になると思います。」

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露日関係, ロシア, モスクワ, 日本, 写真
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