07:45 2020年10月22日
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最近まで「ごみゼロ」という用語は公式文書でしか見られなかった。だが最近、インスタグラマーや環境運動家のおかげで廃棄物を減らす「Zero Waste(ゼロ・ウェイスト)」が社会的な動きとなり、世界中で次第に人気を博し、新しい支持者たちを獲得している。Zero Wasteスタイルでの暮らし方や、日本とロシアのZero Wasteの支持者たちについて通信社スプートニクがご紹介する。

ごみの分別だけでは不十分?

環境分野における現代の研究を信じるならば、ごみを分別するだけでは不十分だ。オープンデータによると、欧州では年間1人あたり約470キロの廃棄物を排出している。

2016年にはこのうちの47%がリサイクルまたは堆肥化された。残りの53%は埋め立て処分や焼却処理。米国では2015年、すべての廃棄物のうち26%のみが生分解性であったり、またはリサイクルされた。

日本ではリサイクルされたごみの割合がはるかに高いが、リサイクルの要件が異なる。例えば、日本ではごみの焼却処理もリサイクルと見なされるが、米国と欧州では違う。なぜなら焼却によって二酸化炭素(CO2)が大気中へ排出され、地球温暖化を引き起こすからだ。

廃棄物の大部分はリサイクルできない。リサイクルに要する費用が高すぎたり、廃棄物が複数の材料からできているのが原因。例えば、紙コップがそうだ。また材料をリサイクルできる回数にも限りがある。金属やガラスは無限にリサイクル可能だが、他の材料には限りがある。紙は通常5〜7回しかリサイクルできない。プラスチックは1〜2回のみ。最後のリサイクルが終わったプラスチックと紙は、その他の廃棄物と同じように捨てられる。


Zero Waste:ごみを出さずに生活する方法とは?

Zero Wasteの主な目標は、5つの基本原則に基づいて廃棄物をできる限り減らすことだ。この5つの原則は「5R」と呼ばれ、すべての頭文字にRがついている。1つ目は「Refuse(断る)」、2つ目は「Reduce(減らす)」、3つ目は「Reuse(繰り返し使う)」、4つ目は「Recycle(リサイクルする)」、5つ目は「Rot(堆肥化)」。

Zero Waste運動の支持者たちは、買い物についてよく考え、可能であれば使い捨て製品の購入をやめたり、不要なものを譲ったりするなど、意識を持って消費するよう呼びかけている。Zero Wasteの支持者たちは、日本の片づけコンサルタント、近藤麻理恵さんの例にならい、マーケティング担当者ではなく、「あなたに喜びをもたらす物だけを残すこと」を提案している。「5R」の最初の3つの原則(断る、減らす、繰り返し使う)を守れば、リサイクルにまわされる廃棄物が減る。


「堆肥化にかかる費用は高すぎる」- Zero Wasteの支持者たちはどのような問題に直面しているのか?

ロシアの環境活動家ラーダ・ポドレゾワさんは、1年前に夫と一緒にZero Wasteに切り替えた。欧州最高峰エルブルス山を2週間かけて登山したとき、救助車両さえ到達できない未開の奥地に缶やペットボトルなどが捨てられているのを見たのがきっかけだった。環境汚染の問題を強く懸念したポドレゾワさんは、環境にやさしいライフスタイルに完全に切り替えただけでなく、ロシア語と英語でZero Wasteについて伝えるブログを始めた。

ポドレゾワさんは新型コロナウイルス感染症の影響で環境にやさしい生活を送るのがより難しくなったと語る。店では今までは包装されていなかった品物もプラスチック製容器に入れられるようになってしまった。なおポドレゾワさんは、コロナ前から「5R」の5つ目の原則「堆肥化」を実行することができなかった。ポドレゾワさんは14階建てのアパートに住んでいるため庭に穴を掘って生ごみを埋めることができない。アパートに置くことが可能な家庭用生ゴミ処理機は、ポドレゾワさんにとって高すぎるという。

ポドレゾワさんは、Zero Wasteのライフスタイルを送るためには努力が必要だとしている。ポドレゾワさんは現在、植物性ミルクとボディケア用品(クリーム、スクラブ、歯磨き粉)を手作りしているが、これらを身に付けるまでには時間がかかったという。


日本人はプラスチック廃棄物の影響を知らない?

スプートニクは、インスタグラム(@zerowaste.japan)で15万人のフォロワーを持つ野村 蘭さんに、日本におけるZero Waste運動やZero Wasteの支持者が直面している困難についてお話を伺った。

「日本では、難しいです。現在、大阪に住んでいますが、量り売りシステムのお店や、ファーマーズマーケットが少ないので、プラスチック包装無しの買い物は、難しいです。その中で、できる限り、ゴミを減らすように心がけています。環境問題は、食べ物、衣類など、身の回りのものすべてにつながっていて、日々の選択で、環境問題に加担していくことも、減らしていけることもできます。100%減らすことは大変ですが、自分ができることを、小さなことでもいいから、少しずつ取り組んでいきたいと思います。
心がけているのは、今あるもので、なんとかすることです。買うのを当たり前と思わず、家にあるもので代用したり、ネットでレシピを探して、作ってみたりしています。使い捨てのものは使わず、繰り返し使えるものを選んで、買っています。また、ほとんどの日本人は、プラスチックゴミが、海の生き物たちや、気候危機に影響を与えていることを知りませんので、周りの人に伝えるのが、難しいです。」
野村さんは、ごみ削減を目指す人たちに「できるだけ、ゴミの量が少なくなるものを選び、過剰包装は断る」ようアドバイスしている。」

食品のプラスチック製包装がなくなり、ごみは焼却処分ではなくリサイクルされ、周囲の人たちが問題を認識してその解決策を支持してくれるというような環境にやさしいライフスタイルの条件が周囲に整っていれば、もちろん、このようなライフスタイルへの切り替えはより容易になる。しかし、まだそのような環境にない今は、一人一人が自分で状況を研究し、問題を解決するために小さな行動を起こすことができるはずだ。例えば、プラスチック製ストローを拒否したり、使い捨てのコーヒーカップの代わりにマグカップや魔法瓶を使ったり、この記事を友人や知人と共有したり。そうすることで私たちは一緒に地球をよりきれいにすることができる。

 

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自然, ロシア, 日本
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