07:07 2020年09月20日
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ベジタリアン(菜食主義)やヴィーガン(完全菜食主義)と呼ばれる食生活については、日本を含む諸外国で熱い議論となりつつある。近年、アメリカだけでも、ベジタリアンの数は6倍に増加し、多くのカフェやレストランで、ベジタリアン用のメニューが作られるようになっている。しかし“保守的”思考の強い国民性を持つ日本は、依然、菜食主義に対して懐疑的な見方をする数少ない国の一つである。それは一体なぜなのか、そして日本にいるベジタリアンはどのような困難に直面しているのか。スプートニクが取材した。

日本にどのくらいのベジタリアンがいるのかという問いに答えを出すのは難しい。日本の菜食主義に関するある調査では、「日本人の4.7%がベジタリアンである」という結果が出ているが、この調査は回答者が少なく、これが日本全体を反映した指標であるとは言い難い。

日本では、菜食主義という言葉の定義も曖昧である。ベジタリアンと称する人々の中には、それは食生活の主な嗜好のことを指し、実際はときどき肉や鶏肉を食べるという人もいるが、これは実際には菜食主義の原則に反する。


では菜食主義とは何なのか?

菜食主義とは、植物性食品と乳製品を食べ、肉や動物性食品(鶏肉、魚、海産物、卵を含む)を避ける食生活のことである。人がベジタリアンになるのには、倫理、環境、経済、健康、宗教などさまざまな理由がある。また菜食主義にもさまざまな種類があり、もっとも厳格なものは完全菜食(ヴィーガン)と呼ばれる。

ヴィーガンはあらゆる種類の肉、乳製品(母親が乳児に与える母乳は含まない)、卵、蜂蜜、そして動物由来の成分(ゼラチンなど)を一切、排除する人々である。このほか、ヴィーガンは動物由来の製品(皮革、毛皮、絹など)、また動物実験された洗剤や化粧品も使用しない。これをエシカルライフスタイルと呼ぶ。


「肉は1日でやめられた」 

ロシア出身のゾーヤ・ベルジビツカヤさんは日本在住12年以上、日本で働いている。彼女の日本での暮らしを綴ったインスタグラム・ブログには25万5,000人以上のフォロワーがいる。

この12年の間に、彼女はペスカタリアンになった。ペスカタリアニズムとは、動物や鳥類の肉を一切摂らない主義を指すが、魚や蟹、貝などは食べる。

ゾーヤさんはローフード生活を試したが、最初の試みは1ヶ月も続かなかった。そこで彼女はよりやりやすい方法を取ることにし、食事から肉だけを避けることにした。「ローフードの食生活を続けるのは難しかったが、肉はたった1日でやめることができたのです」。

日本で菜食主義がそれほど人気でない理由の一つは、専門のカフェやレストランのメニューが多彩でないためだとゾーヤさんは言う。ゾーヤさんによれば、ベジタリアン用のカフェで出される料理は、野菜たっぷりというよりも、ご飯が多めになっているだけだという。

その代わり、そうしたカフェには日本のグルメが通う。「彼らは、イタリア料理やフランス料理やベジタリアン料理が好きで、1ヶ月に1度、ベジタリアンになれるのです」。ゾーヤさんは、普通のカフェで、店員に理解されないという経験を何度かしているという。たとえば、この料理には肉は入っていませんと言われ、注文してみると、ベーコンが入っていたりというようなことだ。職場の同僚も、日本の友人たちも、菜食主義がどういうものかを理解していないことが多いと言う。彼らは「鶏肉なら、たまには食べてもいいの?」などと質問する。

ゾーヤさんは妊娠を機に、また肉を食べるようになったが、出産したら、また肉はやめようと思っているという。


これ以上、どんな動物の苦しみにも手を貸したくないと思い

もう一人のヴィーガン、@veganesetokyoさんは倫理的な理由からヴィーガンになった。

«5年前にエシカルな理由でヴィーガン・ライフスタイルに切り替えました。きっかけは繁殖場からレスキューされた保護犬を引き取ったことです。繁殖場にいる犬や猫と、農場の「家畜」の命の価値は同じだと気づきました。これ以上、どんな動物の苦しみにも手を貸したくないと思い、動物を「食べない・着ない・使わない」と決めました。

現在、日本でも少しずつヴィーガニズムは浸透しています。完全にプラントベースのカフェやレストランも都心では増えてきています。最近は、ようやく普通のスーパーでも植物性ミルクやチーズも買えるようになっています。これから、更にヴィーガン食材は増えると思います。

日本でも、確実にヴィーガニズムに興味を持っている人が増えています。若干「流行り」や「オシャレ」的な面もあるかもしれませんが、興味を持ってくれることから、このライフスタイルの理解や受け入れが始まるので、きっかけは何であってもヴィーガニズムにとってはプラスです。»


ヴィーガンが何を食べるのかはあまり知られてない

ヴィーガンが直面する困難について、「スプートニク」の記者が、日本をめぐるヴィーガンの旅をテーマにブログを書いているジャリさんにお話を伺った。

ジャリさんはいつから、また何がきっかけでヴィーガンになりましたか?

«10代の時は一回ベジタリアンになったんですけど、日本に留学した時は「ホームステイでベジタリアンは出来ません」と言われ、やめました。

6年前は日本でインターンシップをやって、初めて一人暮らしをしたら料理やダイエットをもうちょっと意識するようになってきた。そしたらGary Yourofsky の Best Speech You’ll Ever HearをたまたまYoutubeで見かけて、同じ日に早速ヴィーガン生活を始めたのです。

6年前は日本でヴィーガン対応のカフェや商品を見つけるのはとても難しかったです。最近はすごい増えてきて、どんどん楽になってきます!私が住んでいる田舎でスーパーでも大豆ミートやヴィーガンチーズが買えます!

​日本では現在、ヴィーガニズムについてどう捉えられて(考えられて)いますか?

大豆商品がどんどん増えてきて、「肉より大豆」とか「ヘルシー」や「グリーン」オプションは出てきましたが、健康やダイエットのフォーカスが多いみたいです。若くてSNS好きだとヴィーガンって言葉は聞いたことある人がいるけど、ヴィーガンとは?ヴィーガンだと何を食べる?とかはまだあまり知られてないです。

それに、自分はヴィーガンinfluencerだと言う人が、たまにヴィーガンじゃない物をアップしたり、「自分は100%ヴィーガンになるのまだハードル高い」と言う人もいます。

これからヴィーガン商品やレストランも、ヴィーガニズム理解してくれて、自分もそういう風に、体・地球・動物に優しいままで生きていきたい人が増えると良いなと思います。»


西側諸国では、菜食主義や完全菜食主義(ヴィーガニズム)はこのライフスタイルの良さを宣伝する活動家のおかげで広く知られるようになった。日本ではこうした動きはまだ始まったばかりだが、数年後には多くの信奉者を得て、ベジタリアン用の店が、タピオカティーを出すカフェくらい、よく見かけるものにならないとも限らない。

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