06:52 2020年12月02日
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北海道の真上にあるサハリン州の州都、ユジノサハリンスクではこのほど、住民投票によって、地区の再開発に伴うまちづくりプロジェクトが選定された。複数の候補の中から、第4小地区の再開発は、日本の総合設計事務所・日建設計とロシアの「ダック」社とのコンビによる日露協同プロジェクトが選ばれた。

ユジノサハリンスクでは市内の第4および第7・8の小地区が再開発対象となり、プロジェクト選定プロセスは今年の2月頃から始まっていた。住民説明会は40回以上開催され、総勢で5000人以上が参加し、それぞれの意見を述べた。

ユジノサハリンスク市長のセルゲイ・ナドサヂン氏は「モスクワの人と話していても、ここまで大規模に住民がまちづくりに参加した例は、ロシアで前例がない、と言われました。私たちが、こういう例を見せることができたのは素晴らしいことです」と話している。9月に行なわれた投票の結果、第4小地区では日露のプロジェクト、第7・8小地区では別会社のプロジェクトが採用された。これらのプロジェクトは他に先駆けてスタートするため、今後も続いていくユジノサハリンスク再開発のモデルケースとなる。

冬の第4小地区イメージ図
© 写真 : Nikken sekkei, DAK
冬の第4小地区イメージ図

第4小地区では、子どもたちが安心して外で遊べるよう、マンションに囲まれた中庭に車が入らないようになる。ロシアでは一定規模以上の都市は常に駐車場が足りておらず、中庭が車だらけで、車を出すのに苦労するだけでなく、歩行者の移動もままならないということがよくある。サハリンは積雪も多く、路上に車を放置しておくことは車の故障につながる。

新プロジェクトでは、この深刻な問題を解決すべく、地下駐車場などを活用し、一世帯につき一台は駐車スペースが行き渡るように考えられているほか、来客用駐車スペースも設ける予定だ。

また、これもロシアの大都市にありがちな、縦も横も巨大な建物に入れるだけ住人を詰め込む、というようなマンションではなく、最高でも8階建てにとどめて、景観を維持し、快適な住環境を作っていく。

日建設計は、ロシアの都市開発における実績を積み重ねてきた。モスクワでは、市が推進している公共交通機関に基盤を置いた利便性の高いまちづくり(TOD)を実現する、「ボタニーチェスキー・サード」駅前の再開発や、複合オフィス施設「ズベルバンク・シティ」、ターミナル駅「リージスキー」の再開発など、複数のプロジェクトが並行して進んでいる。

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