09:10 2020年11月25日
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2021年2月7日に、プーチン大統領杯全日本サンボ選手権大会が開催される。全日本選手権としては47回目、プーチン大統領杯と銘打ってからは9回目を迎えるこの大会は、毎年恒例のスポーツ大会としてだけではなく、日露善隣友好関係を深める役割を果たしてきた。大会実行委員長で、日本サンボ連盟の浅井信幸副会長は「新型コロナウイルスの感染予防を徹底しながら無観客で実施します。例年にない特別な大会になりますが、ぜひ成功させたい」と話している。

サンボは、柔道から生まれたロシア発の総合格闘技だ。サンボには多彩な投げ、関節技といったダイナミックな魅力があり、柔道では反則になるような技も、サンボでは自由にかけることができる。日本では、サンボをやると柔道の技術向上にもプラスになるという動機で、柔道選手がサンボの大会に多く参加している。

ロシアの国技サンボ、なぜ日本で大統領杯?

全日本選手権が「プーチン大統領杯」の名を冠しているのは、サンボと柔道の達人であるロシアのプーチン大統領と、柔道金メダリストで、日本オリンピック委員会(JOC)会長でもある山下泰裕氏との深い友情によるものだ。

話は2010年にさかのぼる。山下氏は、3年後の2013年にロシアのカザンで開催が予定されているユニバーシアードに、日本からサンボの強豪チームを派遣するよう力添えをしてほしいという提案を受けた。そこで山下氏は、プーチン大統領(当時は首相)に「柔道家の私に何ができるか即答はできませんが、柔道の山下が、日本でロシア国技サンボの普及発展に力を注ぐことが日露友好親善関係に少しでも役立つなら、できる限りのことをします」と約束した。山下氏は、浅井氏にこの重要なミッションを託した。

浅井氏は、当時のサンボをめぐる状況について「サンボ人気の高かった1980年代に比べ、2010年当時、日本におけるサンボの存在感はゼロと言ってもよいくらいでした。連盟も機能しておらず、選手のレベルも低く、予算もありませんでした。それらを一気に解決するため、ユニバーシアードの予選を『プーチン大統領杯』として開催したのです」と振り返る。

大会には、柔道やレスリングの学生チャンピオンクラスが出場。ロシア人コーチを招聘しての日本合宿、ロシアでの合宿や他大会出場を経て、日本代表はカザン入りした。このユニバーシアードで、日本は総合3位という好成績を収めた。「強豪チームを派遣してほしい」という要請は、わずか3年で現実になったのである。

大統領杯に備え、今年は大会開催せず

サンボ、柔道といったフルコンタクトのスポーツは、新型コロナウイルスの影響を大きく受け、選手の練習再開も容易ではなかった。サンボに関しては、2020年プーチン大統領杯以降の国内大会は全て中止となった。

浅井氏「再開をいつにするか、協議を重ねました。年内に再開してはどうかという声もありましたが、大統領杯は単なるスポーツ大会ではなく、日露の友好親善のための特別な大会です。それまでに何かあってはいけないので、慎重にいこうと、年内の他大会の開催はしないことにしました。ただ、柔道や他競技は再開していますので、それらのコロナ対策を参考に、万全の大勢で大会に臨みたいと思います。」

2020年は過去最多となる約100人が出場したが、2021年はコロナ対策のため出場人数を大幅に縮小する。選手の選抜は、12月中旬に行われる予定だ。

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