06:24 2021年01月27日
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このたび日本で、ストレスの少ないおすすめの仕事の一覧が発表された。1980年代半ばから、日本では自分の仕事に満足しているという人の数が減少するという傾向があるが、2020年にも、ストレスをほとんど感じないという仕事がまだある。しかし、そんな仕事は誰にでも適したものなのだろうか?「スプートニク」は、ある仕事の条件が、ある人には天国で、ある人には地獄なのか、心理学者に話を聞いた。

仕事は減っても、不満は多く

現代人の労働時間は1ヶ月あたり平均180時間とされる。しかし残業や勤務時間外の営業などを合わせるとさらに多い。リクルートの調査では、正社員の1ヶ月あたりの労働時間は男性が平均180時間~200時間、女性が160時間から180時間というデータが公開されている。

日本人の労働時間は限界のレベルから、世界の平均的な指標へと移りつつあるが、一方で、自分の仕事に満足しているという人の割合は、増加しているどころか、逆に低下している。内閣府「国民生活選好度調査」の統計によれば、1978年以降、自分の仕事に満足しているという日本人の数はゆっくりながらも、確実に減少している。給与額と休暇の取りにくさに対する不満を背景に、同僚との競争や上司からの厳しい要求などによるストレスが加われば、状況はより危険なものになる。

株式会社「ビズヒッツ」が、日本全国の532人の働く男女を対象に「ストレスの少ないおすすめの仕事」に関するオンライン世論調査を行い、その結果を発表した。それによれば、職場でのストレスの主な原因は「プレッシャー」と「対人関係」である。

職場でどういうときにストレスを感じるかという問いには、以下のような回答が寄せられた。

  1. ノルマがある/成果を求められる (136)
  2. 顧客対応/接客 (118)
  3. 社内の人間関係がわるい (84)
  4. 時間や納期に追われる (69)
  5. 同僚との関わりが多い (52)
  6. クレーム処理 (26)
  7. 単純作業 (25)
  8. 裁量がない (24)
  9. 責任が重い (23)
  10. 体力を使う (11)

これらの理由をよく見ると、2つのグループに分けることができる。1つ目は定められた期間や納期に達成できない厳しいノルマ、責任の重さなど、職務に関することである。これらの理由は自分だけではどうすることもできないものである。

一方、2つ目のグループは、顧客対応、クレーム処理、同僚との競争、そして会社からの圧力的な雰囲気など、対人関係に関わるものである。

「ストレスの少ないおすすめの仕事」

こうした現状を背景に、ストレスがほとんどゼロに近い専門職というのは、際立った存在である。アンケート調査では、ストレスのない仕事として、以下のようなものが挙げられた。

  1. 倉庫・工場での作業 (96)
  2. 事務職 (62)
  3. 販売職 (33)
  4. データ入力 (28)
  5. 飲食店の接客 (25)
  6. 受付/案内業務 (23)
  7. ドライバー/配達 (20)

これらの仕事がストレスフリーだとするもっとも一般的な理由は、「1人で淡々と働けてノーストレス」というもの。実際、倉庫や工場での作業には、「ノルマ」、「顧客対応」、「クレーム処理」といったストレスの要因はない。人はスーツを脱いで、作業服に着替えた方がより幸せになれるのだろうか?

「ストレスは生き残るために自分を守るもの」

「スプートニク」は心理学者のポリーナ・ゼレノワ氏に、どうすれば、職場でのストレスを軽減し、キャリアを損ねることなく、健全な精神状態を保つことができるのかについてお話を伺った。

「ストレスというのは、何らかの不調を示す小さなシグナルです。生き残るため、自分自身を取り戻すために、自分を守るものです。つまり、ある意味で、ストレスの前兆は肯定的な役割を果たします。少し休憩して、体を休め、気分転換を図る必要があるということを自分で認識することができるからです。

ストレスは、自分自身の本当の望みや感情を押し殺して、一般的な常識(社交的でなければならない、職場でもっと自分に自信を持たなければならない、など)にとらわれることを指します。その場合、そうした社会の要求と自分の生き方の間で葛藤が生じるのです。たとえば、上司や同僚との付き合いも、人と接するのが好きな人には楽しいことでも、誰かといるより1人で過ごすことを好む人にとっては拷問でしかないのです。

ストレスがまったくない仕事などというのは幻想に過ぎず、そのような仕事はありません。しかし、ストレスに対する考え方を変え、ストレスに衛生的に向き合うことは可能です。わたしが提案しているもっとも簡単な方法は、“感情の封じ込め”です。自分の気持ちを誰かに話したり、それを紙に書き留めたり、録音したりして、言ってみれば、ストレスを自分の中から取り出して、容器のようなはっきりと形のあるものの中に封じ込めてしまうのです。それ以外の方法としては、呼吸法、マッサージ、ハグ、精神科を受診することなどがあります。

自分の考えや思いを口に出し、周囲に受け入れられ、自分の意見に耳を傾けてもらえるということは、人間の基本的な要求であり、それを表現することは非常に重要であるということを忘れてはなりません。そうすれば、ストレスに対する反応は違ったものになります。何かが起こっても、対処できるという気持ちになれるのです」。

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