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「日本の美のイメージは異なっている」
日本で働く外国人モデルたちの生活と仕事

日本では、人口の99%が日本人であるにもかかわらず、CMや広告には純日本人風の顔ではないハーフや外国人が起用されることが多い。外国人は何をきっかけに日本でモデルとして働くようになるのか、またモデルという職業においては外見だけが重要でないのはなぜなのか、「スプートニク」が取材した。

写真:Helen Froloe, @sputnik.sweet.heart
野村ヴェロニカさんは、ロシアで育ったハーフだが、日本に住んですでに10年、そしてモデルとして働くようになり8年になる。ヴェロニカさんは、日本人の父親とロシア人の母親の間に生まれたが、まさに日本人とロシア人の両方の美しさを併せ持っている。ヴェロニカさんによれば、身長がそれほど高くないため(165センチ)、ファッションショーの舞台に立つことはできなかったが、松本潤や二宮和也など有名な日本のスターたちとCMに出演するなど、多くの興味深いプロジェクトに参加する機会に恵まれている。
写真:Helen Froloe, @sputnik.sweet.heart
「主なアルバイト」
「モデルエージェンシーに登録したのはまったくの偶然です。母親が、モデルエージェンシーを経営している女性のところでベビーシッターをするようになり、その女性がわたしに声をかけてくれたのです。それで、オーディションを受け、カメラマンに撮影をしてもらい、プロフィール写真を作りました。最初はこれがメインの仕事でした。わたしは最初は語学学校に通っていて、それから大学に入ったのですが、モデルの仕事は他のバイトと較べて、報酬がよかったのです。今は、仕事をしながら、フリーランスでモデル業をしています。ですから、今はこれが主なアルバイトということになります。わたしは髪の色を黒っぽくしていると日本人に見えますし、髪を明るくすると外国人に見えます。それで仕事をもらえるチャンスが多いというのは、ラッキーなことだと思います。とはいえ、やはりわたしは日本人というよりは外国人と思われているので、外国人がよく言われるような褒め言葉を言われることは多いです」。
写真:Helen Froloe, @sputnik.sweet.heart
「日本はモデル天国」
写真:Mote Sinabel Aoki, Brand Faruta Kimono, British Voque March 2020
「契約を結んでこちらに来た知り合いのモデルの話を聞いていると、日本はヨーロッパやアメリカに比べると、モデルにとっては天国のような場所なのだそうです。日本ではモデルが人形や機械のように扱われることはなく、人間としてとても丁寧に扱ってもらえるというのです。超有名なモデルでなくても、必ず食事を用意してくれ、撮影のときには、顔、背中のマッサージをしてくれます。他の国では、モデルは頭が悪いと思われていますが、日本では有名大学の学生と同じくらいのステータスとされています」。
野村ヴェロニカさん
「契約を結んでこちらに来た知り合いのモデルの話を聞いていると、日本はヨーロッパやアメリカに比べると、モデルにとっては天国のような場所なのだそうです。日本ではモデルが人形や機械のように扱われることはなく、人間としてとても丁寧に扱ってもらえるというのです。超有名なモデルでなくても、必ず食事を用意してくれ、撮影のときには、顔、背中のマッサージをしてくれます。他の国では、モデルは頭が悪いと思われていますが、日本では有名大学の学生と同じくらいのステータスとされています」。
写真:Mote Sinabel Aoki, Brand Faruta Kimono
「ちょっと変わった趣味」
写真:Photo by Norik Uka
「日本にはモデルに対して厳しい要求はありません。とくにフリーランスのエージェンシーでは、仕事がもらえるかどうかは本人にかかっています。もちろん撮影に呼ばれるかどうかについて最終的な決定を下すのはクライアントです。モデルに備わっているべき重要な要素は、かわいらしさです。日本では、セクシーすぎたり、きつすぎたりすると成功しません。ベイビーフェイス、なんでも幼くて、可愛らしいものが好まれるのです。一度きりで終わるのではなく、その後も続けて仕事をもらうためには、ポジティブな雰囲気を持っていて、接していて感じの良いことが重要です。日本に長く暮らしているモデルたちは、日本のエチケットや文化をよく知っていて、それに合わせようとしています。
一番人気があるのは、ハーフのモデルです。ハーフには、ちょっと外国人ぽくもあり、日本人を思わせるところもあるため、広告にはうってつけなのです。注意を引くことができ、なおかつまったくの外国人よりは親しみがあるからです。
ロシアではあまり魅力的だと思えないような外見が逆に日本では人気があるということもあります。たとえば、日本では鼻が高いというのは褒め言葉ですが、ロシアでは高い鼻はあまり好まれません」。
写真:Helen Froloe, @sputnik.sweet.heart
写真:Photo by Norik Uka
「日本の美のイメージは異なっている」
松森アナスタシアさんはロシア人とカザフ人のハーフで、日本に住んで10年になる。日本に来たばかりの頃は、日本人の夫と沖縄に住んでいたが、現在は2人の子どもとともに横浜で生活をしている。現在、アナスタシアさんはデザイナーとして働いているが、趣味でモデルをするようになって長い。
「日本に住んで2年半くらい経ったころ、多くの外国人がここでモデルのアルバイトをしていることを知り、わたしも東京でモデルエージェンシーを探しました。すると少しずつオファーがくるようになりました。最初の仕事はドラマのお母さん役でした。モデルとして働くようになって8年になりますが、今でも家族をテーマにした撮影や子どもたちと一緒に出演したり、結婚式場の宣伝などによく呼ばれます。ユニクロ、ソニー、パナソニック、ヤマハピアノといった有名メーカーの仕事をしたこともあります。アルコール飲料のCMでは、長谷川博己と一緒に出演しました。」
松森アナスタシアさん
「ロシアに住んでいたとき、テレビに出ているのは、ものすごく細くて、真っ白な歯をした理想的な人だけでした。しかし日本ではいろんなタイプの人がいます。スーパーモデルのような外見であることは必ずしも必要ではなく、ただし、何か特徴があることが大事なのです。たとえば、わたしはヨーロッパでモデルとして働くには、少し太っています。しかし日本ではモデルの仕事をもらえ、しかも年齢を重ねれば重ねるほど、たくさん仕事をもらえるようになりました。
日本人はとても礼儀正しく、気遣いのできる民族で、いつも、わたしたちがちゃんと理解しているか心配してくれます。日本に永住している外国人について言えば、わたしたちはこの国に暮らし、日常生活で常に日本人と付き合っています。日本人を尊敬していますし、彼らも同じように接してくれます。
オフィスワークとは違う難しさもあります。たとえば、仕事が始まる時間はものすごく早く、午前4時には家を出て、5時には撮影現場に着いていなければなりません。最初の頃の仕事で、資生堂の撮影をしたのですが、時間通りに終わらず、翌朝また6時から撮影をするというので、東京で1泊しなければならないこともありました。強い照明の下で、何時間も立ったままということもあります。」
「それでも、この仕事はとても気に入っています。毎回、新しい出会いがあり、それぞれの仕事にそれぞれのストーリーがあります。プロジェクトに参加したり、何かの宣伝に出演するとき、自分が巨大な作品の一部になったような気がします」。
今回、取材した方々のお話は、日本でモデルとしてキャリアを確立するには、好感の持てる外見だけでなく、優しい心、勤勉さ、そして新たなことへの関心が必要であるということを改めて証明するものである。
あなたは、モデル業をやってみたいと思ったことがありますか?
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