05:46 2021年04月23日
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最新の調査によれば、性別は、依然として、日本を含めアジアにおける女性の出世の障壁となっている。経済、政治における男女の地位の差は、その他の分野、また国の発展全体に対しても影響を及ぼすものである。2021年の世界経済フォーラムの報告書では、日本における男女格差の解消には半世紀以上を要するとの結果が出ている。なぜ、女性の職業上の成長が、女性自身にとってのみならず、国の経済にとっても有益ではないのか、「スプートニク」が調査した。

社会における女性の地位

国際企業LinkedInが、オーストリア、中国、インド、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポールで働く専門家1万人を対象に行った調査の報告書では、女性は依然として、出世において障害に直面している点が強調されている。

調査によれば、アジア太平洋地域の女性専門家の5分の2(41%)が、女性であることにより、キャリアアップのための可能性が奪われ、男性よりもチャンスが限られていると考えていることが分かった。日本についていえば、このデータは別の調査でも確認されている。たとえば、世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数2021では、日本は昨年の121位よりワンランクアップの120位となった。

また、日本は初等教育における男女格差を完全に克服したものの、分野別のランキングにおける政治では147位、経済では117位となった。

この総合ランキングで12年連続で1位となっているのがアイスランドで、フィンランド、ノルウェイ、ニュージーランドが続いている。この4カ国の首相はいずれも女性である。


男女格差の解消には133年かかる

若干の改善はあるものの、全体として状況は非常に厳しいものであり続けている。国際経済フォーラムは、男女格差の撲滅には133年かかるとの予測を示している。政治や経済におけるこれまでの性差別の状況は、パンデミックによる影響によりさらに悪化し、前回の99.5年だったのに33.5年が加算された。

日本の加藤勝信官房長官は、記者会見で、ジェンダー平等について、日本では他の国に比べて、相対的に取り組みが遅れているとの見方を示した。加藤官房長官は、日本は、先進国の中でも最低レベル、アジア諸国の中でも中国(107位)と韓国(102位)よりも下であると指摘している。アジア太平洋地域では、フィリピンが最高で、17位だった。

また加藤氏は、政治分野の女性参画について、女性候補の割合を2025年までに35%に引き上げる政府目標の実現に向け、野党の協力も得ながら、政治分野における女性の活躍の拡大に取り組んでいきたいとも語った。

日本の衆議院議員に占める女性の割合はわずか9.9%、女性閣僚の比率は10%である。また首相に女性が選ばれたことは未だかつて一度もない。


固定観念の問題

分析センターは、経済におけるジェンダーギャップ指数から判断して、日本では72%の女性が働いているが、管理職についている女性は14.7%にとどまっているとしている。

主な理由は、指導者になるには、学歴やそれ以外の成果よりも性別が大きな意味を持つという非現代的な管理体制である。管理職に就くのに女性は男性よりも時間がかかるため、時間とともに管理職の男性の数は増加し、女性は減少する。女性の出世を遅らせるが、男性には影響を及ぼさないもう1つの理由は子どもの存在である。たとえば、子どもが病気になったとき、上司も、子どもの面倒を見るのは、父親ではなく、母親だと考えているのである。こうして女性は管理職をめぐる競争から脱落してしまうのである。

そして、公式的には、政府は、社会における女性の地位を向上し、それを政治・経済にも反映させようと努力しているが、実際にはこうした措置は何の結果ももたらしていない。最近、オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗元会長が「女性はおしゃべり」などとする女性蔑視発言をした際、またはオリンピック・パラリンピックの開閉会式の企画・演出を担当するクリエイティブ・ディレクターの佐々木宏氏が渡辺直美さんを「オリンピッグ」と呼んだ際などに巻き起こった、有力議員らによるスキャンダルは、そのことを証明するものとなっている。

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