04:56 2021年09月20日
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ニカ・アミャリシカがツアーで訪れた都市は、ロシア、欧州、南米など数多い。しかし、日本ツアーは特別だと彼女は言う。日本の観客は欧米の観客と何が違うのか?コロナ禍でダンサーたちはどんな犠牲をはらわなくてはならないのか?スプートニクの記事でお伝えする。

ワガノワ・バレエ・アカデミーを卒業し、マリインスキー劇場のダンサーをつとめたニカ・アミャリシカは現在、パートナーであり夫でもあるヴィタリー・アミリャシカとともにフリーで活動している。そのニカ・アミリャシカが2回目の日本ツアーで来日した。ニカによると、2019年の初来日ツアーでは、ヨーロッパの有名なツアーでも稀な整然とした運営と秩序が記憶に残ったという。今回はコロナ禍で厳しい制限があったにもかかわらず、運営は変わらず整然として完璧だった。

ニカによると、コロナ前は到着の翌日や当日に舞台に立つこともあったそうだが、現在、ダンサーは到着後2週間の隔離が必要だ。これは外国人でも日本人でも、外国から来日する人全員に対する標準的な手続きであり、検査で陰性の結果が出た後14日間は誰とも接触せずに自宅で隔離しなければならない。この安全対策はオリンピック選手にも遵守が求められ、14日間の隔離期間が確保できるよう、どの選手団も早めに来日しなければならなかった。選手、コーチ、監督、スポーツ施設のスタッフは毎日のCovid-19検査、マスクの着用、組織委員会の要求があった場合にはすぐに隔離を実施することが義務となった。チーム以外の人と交流したり、決められたルート以外で移動することも禁止された。

「ツアー開始前に14日間の隔離が待っていました。到着後、全員がアプリをインストールし、そのアプリを使って毎日健康状態を報告し、きちんと隔離しているかどうかを確認するための電話に応答しなければなりませんでした。東京の狭いホテルの部屋に滞在することになるので大変だろうと思っていましたが、蓋を開けてみると、宿泊先は日本の森の中だったんです。まるで天国でした。私たちの宿泊場所は東京から車で1時間半ほどのところでした。ダンサーたちはそれぞれ窓から森の風景が見えるコテージに別れて宿泊し、毎日Zoomでクラシックをやりました。多少狭かったですが、それでも練習するには十分なスペースでした。リハーサルができるように、床もトウシューズ用に改良してありました。もちろん、隔離後は踊るのが大変ですが、それでも体をキープするための条件は揃っていました。毎日、食事が運ばれてきて、体温を計測しました。」

隔離期間が終わると、ダンサーは公演に入り、福岡、熊本、宮崎、宇部、大阪、名古屋、一宮とほぼ毎日違う都市で舞台に立った。しかし、ツアーはまだ終わっていない。また、コロナ禍による変更もあった。たとえば、劇場は客席の半分しか観客が入れられない。観客は上演中常にマスクを着用していなければならない。お互いにウイスルを移さないよう、上演前後に会話をしてはならない。また、幕間も立ち上がったり、ホールの外に出ることはできない。

観客に対する制限は上演中だけだからまだいいが、ダンサーたちは公演のない日でも自由を制限されている。ニカは「観光名所を見に行きたい気持ちはものすごくあるけれど、外出は最小限に留めるようにしている」と言う。

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Публикация от 光藍社 Koransha(バレエ) (@koransha_concert)

慣れない形式ではあるものの、それでも日本の舞台に立てたことをニカは喜んでいる。彼女は言う。「日本人は類い稀なる国民です。観客はとても気品があって、ダンサーとパフォーマンスに胸を高鳴らせてくれます。たとえ気に入らないことがあっても、最後まで拍手をしてダンサーの仕事を応援してくれますし、ダンサーの気分を害するようなことは決してしません。ステージで踊っていると、彼らが文化をどれだけ尊重し大切にしているかを肌で感じることができます。他ではこんなことはありません。ロシアでの公演はまったく違います。ロシアでは、観客はとても気に入れば大きな拍手をしてブラボーと叫んでくれますが、気に入らなければ、ダンサーを静寂の中に置き去りにすることもあるんです。」
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ロシア, バレエ
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