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    石郷岡健氏、私は米国の発言は気にしない

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    政治
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    アンドレイ イワノフ
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    日本は今、ロシアと事を進めるべきではない。ラッセル米国務次官補(東アジア、太平洋担当)はワシントンでのブリーフィングで記者団に対し、こうしたお決まりの声明を表した。毎日新聞元モスクワ支局長の石郷岡健氏は、米国人役人のこうした声明に対し、驚きを表している。

    ラッセル国務次官補の声明はナルィシキン露下院(国家会議)議長の訪日に苛立ちを覚えての反応であろう。ナルィシキン下院議長は日本の政治家、実業家らと露日関係活発化の将来性について実のある話し合いを行い、安倍首相と会談をするため、訪日していた。

    ロシアにもこの声明は聞こえていたものの、これに何らかの反応を示すことは不必要と判断されたようだ。くしゃみが聞こえるたびにいちいち「お大事に」などとかまってはいられないからだ。

    これを聞かされた日本側は、米国の「インストラクション」をどう受け止めたのだろうか? 日本のような独立国を指揮しようとする米国の試みはよしとされているのだろうか?

    ラジオ「スプートニク」はこうした問いについて日本大学の教授で有名なジャーナリスト、政治学者、作家であり、ヴァルダイ・クラブのメンバーである石郷岡健氏にぶつけてみた。

    「 それはそんなに簡単なことではない。米国政府内で意見が対立、分裂し、日露関係が良くなっても構わないという人と、それがいけないという人がぶつかりあっている非常な複雑な状況だ。
    ケリー国務長官がソチに来て、プーチンとラヴロフと話をしたが、そのとき、米国務省を代表する人物が言ったことと、その後、ヌーランド国務次官補がモスクワに来て言ったことがまた食い違う。米国政府内で明らかに対外政策を変換しようとしているグループと、それはまずいと思うグループがぶつかり合っている感じをうける。
    このため、今回の日露関係について2つの異なった意見がでてきた。だが、意見は矛盾しているため、日本がこれに影響を受けることはないわけ。日本には米国は対露政策を変えようとしていることはわかるが、それが何なのかはよくわからない。
    ただしアジア方面で見ると、米国の対中政策は非常に厳しくなった。東シナ海で米国の偵察機と中国の軍隊の衝突が非常に頻繁に起こっているが、これは米国が中国に対し、強硬な政策をとり始めた証拠だ。こうした政策を開始したのはおそらく中国のインフラ投資銀行の計画に欧州がずっと乗り込んできてきたことが原因だろう。それに乗らなかったのは日米だけだった。米国は孤立した状態にあり、これを危惧して対中政策を転向していると思う。
    政策転向とは、ひょっとすると、ロシアと喧嘩している場合ではないというところまで達しているのかもしれない。それがケリーの発言だったのかもしれない。ところがケリーはそういったが、ヌーランドはそうはいっていない。国務省の中で違った意見が出ているので、今後の政策がどうなるかはしばらく様子を見ないとわからない。
    また、われわれは対中国から物を考えるが、中東から見ると、イランが、そしてイラクが大変なことになっている。シリアもイエメンもそうだ。もしかすると米国は中東政策で大転換をし、そのためにロシアの支援が必要ということが囁かれているのかもしれない。
    この目的でロシアとの友好政策をとろうというグループがいるし、それに反対のグループもいる。たとえばイランに対しては制裁をとりさげ、正常関係を築くという姿勢をオバマ政権がとっているのだが、それをすると従来の中東ロビーがめちゃめちゃになり、特にサウジアラビアとイスラエルからは非常な反発が出てくる可能性がある。このように米国内は大変な状況にあるため、米国の言うことをそのまま信じて聴くことはできない状況にある。これが私の見解だ。
    最初に質問に、米国の言うことは気にしなくていいよといったが、それは政策がまとまっていないからだ。ひょっとすると米国は対露制裁を解くかもしれない。そう考えると相手の言うことはあまり意味がないので、様子を見たほうがいい。日本政府としてもああいわれたから何かしようということではない。制裁が解かれたらプーチン大統領も来るかもしれない。ケリーもロシアと話をした、メルケルも話をした。制裁をしている国がロシアとどんどん話をしているのに、なんで日本は話に来ないのかということになる。」

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    日本関連, 米国
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