04:17 2018年06月24日
G7サミット

ロシアと敵対するG7に未来はない

© AFP 2018 / Daniel Karmann
政治
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ロシアのプーチン大統領が参加しない、2度目のG7が幕を閉じた。しかし当事者不在にも関わらず、プーチン大統領はサミットの主役であった。西側の主要大国首脳はソ連崩壊以来初めて、「ロシアといかに戦うか」、その計画を立てることを、主要議題とした。事前の合意では、主要議題は気候変動、EU・米国自由貿易圏創設、リビア情勢、イラン核開発問題、テロ組織「イスラム国」などになるはずだった。ロシアというテーマがそれらを押しのけてしまった。ロシア抜きのG7は、質的変化を遂げつつある。

世界経済やグローバルな繁栄に関わる問題を解決する統合体という従来の性格は失われ、G7はいま、西側世界のイデオロギーや価値観を推進するための道具へと変質しようとしている。

今回のサミットにおいて、G7諸国の対ロ関係は、アクティブな対立というステージに移行した。音頭をとったのは米国だ。米国大統領はG7諸国に対し、ウクライナにおけるロシアの行動に「反撃」するよう呼びかけた。米国大統領とドイツ首相との会談ののち、ロシアに対する制裁圧力は続けられる、との声明が出された。

各国の専門家が指摘している。悪名高い対ロ制裁は、ロシアよりも、それを導入した西側諸国のほうに、より大きな損失を出している、と。G7サミットで米国大統領が「プーチンはロシア経済を壊乱し、国を孤立させた」と雄弁をふるっていたその時、モスクワでは、第一回BRICS諸国議会フォーラムが開会した。BRICSは多極世界の新しいシンボルであり、世界の発展を担う主要なパワーのひとつである。BRICS諸国の国土は全地球の26%を占め、人口は世界の全人口の46%を占める。世界8大経済大国のうち、G7にはその2位、4位、5位、8位の4カ国が含まれるのみ。首位、3位、6位、7位の経済先進国から成るのがBRICSである。IMFによれば、そのGDPは、2014年時点で32.5兆ドルに上り、全世界のGDPの30%を占める。G7諸国の合計GDPはこれよりわずかに2.2兆ドル多いだけである。この差はすぐにも埋められるだろうと、多くの専門家の意見は一致している。

G7諸国はロシアを国際社会から孤立させることはできなかった。そしてロシア経済は制裁によって破壊されはしなかった。世界銀行も今年のロシアの成長予測を上方修正している。インフレもピークを過ぎた。中央銀行の予測では、消費者物価は大幅な引き下げが期待される。中央銀行総裁ナビウリナ氏はロシア議会下院で次のように述べた。「ルーブルが強まっている。状況が改善されたので、金準備も復旧し始めている。5-6月は30億ドル超の外貨を購入した」。同氏によれば、中央銀行発表の金準備復旧プログラムは長期間にわたるものとなっている。

ブロガーのマリヤ・ザハロワ氏は、米国大統領による、「ロシア孤立化政策は成功した」との発言に、次のようなコメントを行った。「成功など影も形もない。文明人を自認する、大国の大統領ともあろうものが、交戦中でもない外国の国民に何か悪いことを企て、そのことを誇るなど、前代未聞のことである。米国大統領には、外国の国民に何か良いことをしたといって誇れることが何もないから、だからそうするのだと言えるかも知れぬ。米国は十指に余る外国の内政に干渉した。ベトナム戦争をはじめ、ユーゴスラヴィア空爆、イラクにおける市民数十万人の死、のちに「イスラム国」を生み出すことになる対シリア作戦、リビアの国家破綻、などなど、枚挙に暇がない」。

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