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    南シナ海での行動規範 是か非か

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    政治
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    29日、中国で、中国及びアセアン諸国の外務省の代表達が、南シナ海での行動規範作りに関する協議の定例ラウンドを開く。ロシアの政治学者グリゴリイ・ロクシン氏は「中国側は、そうした規範の作成には全く関心がないが、この問題に関するアセアン諸国の立場も、やはり簡単ではない」と見ている。ロクシン氏は、シンガポールで、規範準備に関する協議がすでに何回か実施された事に注意を促した。

    しかし手続き上の問題以上に、事は進まなかった。それはまず何よりも、中国によって持ち出される要求のせいである。問題は、協議が、2002年に調印された南シナ海での関係当事諸国の行動宣言遂行に関する実務グループの枠内で行われている点にある。この宣言を、中国も、そしてアセアン諸国も、誰も遂行していない。なぜなら、それが、法典ではなく宣言であり、法的義務のない文書だからだ。中国代表は、まず宣言の遂行状況を討議するよう求め、その後で、規範の諸問題に移るべきだと求めている。一方アセアン諸国は、宣言も又規範も並行して協議を実施するよう提案している。

    現実は、中国にとって、そうした規範は必要でない事を示している。南シナ海に現在秩序がない事は、中国にとって都合が良い。好きな事ができるからだ。中国は、ここにいかなる制限が加わる事も欲してはいない。その事が、ここ最近ますます頻繁に示されている。

    政治学者のグリゴリイ・ロクシン氏は、次のように指摘している-

    「全体として、もちろん、この規範は、アセアン諸国にとって有利なものとなるだろう。しかし彼らの立場も、やはり簡単ではない。アセアン諸国の間では、多くの面で結束が取れていない。例えば、規範の効力の地理学的領域に関する点だ。ベトナムは、この領域には、パラセル諸島(西沙諸え島)も入るべきだと考えているが、マレーシアとカンボジア、それに他の一連の国々は、それに異議を唱えている。彼らは、パラセル諸島は、ベトナムと中国の間の二国間の争いだとし、両国以外、誰もパラセル諸島の領有を主張しておらず、それゆえ、この問題に第三国を引き込むべきではないとの立場を取っている。

    南シナ海における関係当事国の行動規範は、それが採択された場合、こうしたものとしては世界で最初の文書になるだろう。しかし、その意義を過大評価すべきではない。規範は、主権の問題には触れていないし、触れる可能性もないからだ。規範は、理論的には、より好ましい信頼の雰囲気を創り出すだけである。それは、何らかの前進のほんの一歩に過ぎず、少しでも中国をどうにか抑え込めればと言うものに過ぎない。まさにそれゆえに、中国は、この規範に関心を抱いていないのだ。」

    そうしたことから、この方向における実際の作業は、ゆっくりかつ段階的になされるだろう。何らかの解決の突破口が開かれるかもしれないと、期待できる根拠はない。これからも、中国の立場やアセアン諸国間の結束の欠如、そしてアセアンの一連の国々の中国への一定の経済的依存が、それぞれ影響を及ぼしてゆくだろう。事の本質から言えば、規範が採択されるのは、地域における各国の力が対等であるという、そうした条件においてのみだからだ。

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