露米関係における危機のクロニクル

© Sputnik / Yakutin / メディアバンクへ移行ロシア平和維持軍、コソボ
ロシア平和維持軍、コソボ - Sputnik 日本
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現代の露米関係で最初の深刻な衝突が起こったのは、1999年。この年、米国を筆頭とするNATO軍が、ユーゴスラヴィアに侵攻した。ロシアは当初からユーゴ空爆を侵略行為と規定した。最初のリアクションとして、当時のプリマコフ首相が米国公式訪問を取りやめた。プリマコフ氏は大西洋上で飛行機を回頭させ、モスクワにUターンした。ユーゴ空爆への抗議だ。ロシアはNATOとの協力を全面的に凍結した。

アメリカ合衆国議会 - Sputnik 日本
米メディア:米国はロシアと中国を孤立化し、両者間の対立を煽ろうとしている
米軍のイラク侵攻に続く2003年3月の反イラク連合作戦も露米関係を険悪にした。イラク攻撃はロシア指導部にもロシア国民にも理解されなかった。ロシアの目には、米国の目的は石油資源の確保と、国連を無視して自らの世界観を押し付けることにあるように見えた。

米国はこれまで度々地域紛争を利用し、自らの利益にあわせて「カラー革命」を起こしてきた。それらは旧ソ連空間以外では局地化されなかった。2003年、米国はグルジアで「カラー革命」の技術を試した。シュワルナゼ氏にとってかわったサアカシヴィリ氏は公然と親米政策をとり、ジョージ・ソロス財団から直接投資を受けた。これに弾みをつけられた米国はさらにウズベキスタンとキルギスで2005年、「カラー革命」を起こそうとしたが、叶わなかった。2009年4月のモルドバ騒乱に米国務省が参加していたという証拠もある。

2008年8月、露米関係がさらに悪化する契機があった。グルジア軍の南オセチア進軍だ。ロシアは南オセチア市民(その多くがロシア国籍を取得した)を守り、さらにグルジアに兵を進め、5日後、グルジア軍を一帯から追い払った。アブハジアも1993年以来、事実上グルジアから独立していた。そのアブハジアもコドル渓谷上流からグルジア兵を追い出した。ロシアは2008年8月26日、両地域の主権を承認した。この2地域はソビエト時代からグルジアからの独立を求めてきたのである。米国は同盟国グルジアにおけるロシアのこの成功をどうすることもできなかった。そうして旧ソビエト空間へのNATOの拡大を中断せざるを得なくなった。

元米空軍パイロット「1945年8月、我々は、勝利し自分達自身と日本人を救うために2発の原爆を投下した」 - Sputnik 日本
元米空軍パイロット「1945年8月、我々は、勝利し自分達自身と日本人を救うために2発の原爆を投下した」
露米の信頼関係は西側の行動によってリビアのカダフィ大佐が政権を追われ、殺害されると、急速に失墜した。いまリビアは危機の時代に入っている。国内の不一致から、二重権力状態が生まれている。全国的な選挙で成立した議会が一方にあり、親イスラムの全国会議というものが他方にある。また他方では、リビアの複数の地域が全く中央の権力に管理されないままである。それら地域ではイスラム国の勢力が着々と支配を広げている。ロシア外務省の評価では、リビアの今の混乱は米国とそのNATOにおける同盟諸国の無責任な内戦介入と、リビアの強制的「民主化」のために行ったカダフィ政権転覆の直接的な結果である。

露米関係に横たわる主要な問題のひとつが、イランの核開発に対するロシアの支援である。米国はイランに対して国連経由の制裁をかけ、また独自の二国間制裁をもかけている。それら制裁はイラン経済に深刻な打撃を与えている。ロシアは、対イラン制裁は問題を効果的に解決する方法ではない、とし、外交努力を傾ける必要性を訴えてきた。2015年7月14日、イランと国際仲介6カ国の協議が終了し、包括的共同行動計画が採択された。これが完全に履行されれば、先に国連安保理、米国、EUが発動していた対イラン経済制裁・金融制裁が全面解除される。

いま国際社会が抱える最大の問題のひとつに、シリア危機がある。危機がここまで拡大したのは、米国と筆頭とする外部のプレイヤー、また国内の反アサド派が仕掛けた、前代未聞の規模における、危機の「国際化」が原因である。外部からの干渉により、テロ組織イスラム国の活動も活発化した。米国がシリア政府との協力を拒んでいることが、イスラム国対策における主要な問題のひとつとなっている。

反ロシアプロパガンダにうんざりの欧米 - Sputnik 日本
反ロシアプロパガンダにうんざりの欧米
ウクライナ紛争に対する評価の不一致も露米の対話を困難にしている。2014年2月22日、ウクライナで暴力的な政権奪取があった。ウクライナ議会は憲法を修正し、大統領を懐妊し、新大統領選挙実施を公布した。これら行動の合法性は疑わしい、とロシアは疑義を呈した。クリミアおよびウクライナ南部・東部の一部地域もその合法性を疑問視した。そして、地域の今後について、住民投票を実施した。クリミアとセヴァストーポリはロシアに入り、ロシアの新たな構成主体となった。ドネツクおよびルガンスク市民は人民共和国設立を宣言した。その主権宣言は、キエフでは認められていない。ウクライナ危機におけるロシアの行動を認めない米国は、ロシアの高官、議員、ビジネスマン、銀行家らを対象とするビザ制裁、金融制裁を発動した。

米国のオバマ大統領は国連総会の演説で、いま世界が抱える主だった脅威は、エボラウィルスであり、欧州におけるロシアの行動であり、シリア・イラクにおけるテロである、と述べた。ロシア外務省は、ウクライナにおけるロシアの行動をイスラム国と同一視するのは取りも直さず、米国とNATOにおけるその同盟諸国が自らの国家計画を実現するためにはダブルスタンダードも辞さないということを示すものであり、明らかな暴挙である、と規定している。

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