02:20 2020年11月25日
政治
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日本は世界的な核廃絶というゴールを共有しながらも、核兵器禁止条約への署名を行わない意向を改めて確認した。核兵器禁止条約は50カ国が批准した90日後の2021年1月22日に発効することになっている。先週、10カ国が次々とこれを批准し、ホンジュラスの批准で50カ国達成となった。米国、ロシア、中国、英国、フランスの5つの核保有国は条約には署名していない。

10月25日、日本の岸信夫防衛相は、核兵器禁止条約には核大国が参加していないとの観点から、その有効性に疑問を呈した

その翌日、日本政府の加藤勝信官房長官が公式見解を表し、条約は核保有国と非保有国のコンセンサスなくして実現することは不可能だとして、疑問を表した。

一方、10月25日、広島市内の平和記念公園では、被爆者やその家族を団結させる社会団体による数多くの集会が行われた。その中には、ビキニ環礁付近での米国の水爆実験で被災した元船員たちの姿もあった。集会の参加者らは、世界で唯一の被爆国である日本は核禁止条約に署名すべきだと書かれたプラカードを掲げた。デモの参加者らは、日本政府に対し、この条約を批准するよう訴えているが、日本人の中には、日本は、条約を批准した国々の会議に、オブザーバーとしてでも参加すべきだと考えている人もいる。

ロシア戦略研究所の専門家、アンドレイ・グビン氏は、各兵禁止条約は、素晴らしいものではあるが、激動の時代に世界をより予見できないものにするとして、今の時代に即したものではないとの見方を示している。

「今年3月に核不拡散条約が発効50周年を迎えました。これは核兵器の保有を国連安保理の常任理事国である5カ国に限定するというものです。この5カ国が核兵器を放棄したとしても、北朝鮮、インド、パキスタンなど、核兵器を保有する他の国々も同じようにそれに従うという保障はまったくありません。そうなると、世界はさらに危険なものになるのです。ですから日本がこの条約への署名を行わないと決めたことは、十分に予想できることであり、その理由も明白です。もちろん、米国が、日本の米軍基地に核兵器を配備するという可能性を排除したくないというのもあるでしょう。米国にとって、日米の軍事協力関係において、主導的な立場を取っているのは米国なのです。日本は、技術的には、原子力発電所から得られるプルトニウムを核兵器開発に使用することができるでしょう。もっとも、今のところ、使用済み燃料を爆弾に変える技術も、それを運搬する技術も日本にはありません。しかもこれを秘密裏に行うことは不可能です。これについては、国際原子力機関(IAEA)から日本に対しては何の警告も発されていません。日本は、拘束力はないまでも、非核3原則を自発的な形で遵守しており、それが自由な行動を可能にしています。一方で悪い例といえるのが、核不拡散条約から一方的に離脱した北朝鮮です。日本にも核兵器開発を進めるべきだという「タカ派」もいますが、政治体制のバランスが取れており、そうした一部の過激な考えが発展していくことはないでしょう。しかも、日本ではかなり強硬な反核の動きがあります」。

核兵器禁止条約は2017年に、国連に加盟する122カ国によって承認されたもので、核の開発、実験、製造、備蓄、移譲、威嚇のための使用などを禁じている。条約に署名した国々は、自国領内に他の国の核兵器を配備することも禁じられることから、批准国と核兵器保有国の間でふたたび対立が表面化している。また核兵器禁止条約は世界の安全保障の現実を考慮したものではないとして、核拡散防止条約の枠内で段階的に核軍縮を進めるべきだとの声も上がっている。

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