「野望とドライブ感と」 初の黒人女性初の副大統領、カマラ・ハリス氏とは

© REUTERS / REBECCA COOKカマラ・ハリス氏
カマラ・ハリス氏 - Sputnik 日本
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バイデン氏の支持者らが歓喜に湧き、トランプ大統領が選挙における不正を訴え、訴訟の準備を進める中、米国では、次期副大統領となり、その後、大統領となる可能性もあるカマラ・ハリス氏に注目が集まっている。

トランプ大統領が不正を証明するのは困難であることから、バイデン氏とハリス氏による、いわゆる「大統領チケット」(大統領と副大統領のペアのこと)が誕生する可能性は高い。そしてそれが実現した場合、ハリス氏は女性初、そして黒人初、またインド系初の副大統領となる。ニューヨークタイムズ紙はそんな彼女について、「バイデン氏よりもはるかにエネルギッシュなスタイルを選挙運動に持ち込み、自らの才能で、討論会を始めとする多くの選挙前イベントで政治のパワーに火をつけ、自身と家族の物語に訴えかけ、多くの人々の心を動かした」と記している。


カマラ・ハリスってどんな人?

カマラ・デヴィ・ハリスは1964年10月20日生まれ。カリフォルニア州オークランド出身。母親のシャーマラ・ゴーパーラン氏はタミル系インド人の乳がん研究者で、2009年2月に亡くなっている。父親のドナルド・ジャスパー・ハリス氏はジャマイカ人移民で、経済学の教授である。2人はカリフォルニア大学の大学院で知り合ったが、若い頃はともに人権活動家で、集会やデモがあると、両親は幼いカマラを連れて参加していた。ハリス氏自身、選挙運動の中で、自身の政治家としての活動は、乳児期から始まっていたと繰り返し述べている。

両親は、カマラが7歳のときに離婚。母親は2人の娘を連れてカナダに移住した。米国に戻ったカマラはハワード大学を卒業し、カリフォルニア大学ヘイスティングロースクールで学んだ後、カリフォルニア州アラメダ郡の地方検事補として働いた。

2003年、カマラはサンフランシスコの地方検察官に選出され、2004年から2010年までその任務を全うし、2010年の末、女性初のカリフォルニア司法長官となった。2014年にハリス氏は再選を果たし、同じ年に弁護士のダグラス・エムホフ氏と結婚した。     

© REUTERS / JONATHAN ERNSTカマラ・ハリス氏とダグラス・エムホフ氏
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カマラ・ハリス氏とダグラス・エムホフ氏

現段階でハリス氏は、政策に関して大々的な声明は出していないが、BLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命が大切だ)運動、マリファナの合法化、同性婚、理性的な銃規制を支持していることはよく知られていることである。

またハリス氏は経済の脱炭素化を目指す「グリーン・ニュー・ディール」の発案者の一人であるほか、貧困層の利益を考慮に入れ、環境保護のための法的措置を比較する「気候均等法案」を取りまとめた。


バイデン=ハリス体制に期待されることは?

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現代イデオロギー発展研究所のイーゴリ・シャトロフ副所長は、「スプートニク」からのインタビューに応じ、「カマラ・ハリス氏は、カリスマ性があり、勇敢で、目的意識を持った政治家です。彼女には野望とドライブ感があります。もし彼女が副大統領になれば、米国の政治に新たな風を吹き込むことになるでしょう」と述べている。「もしバイデン、ハリス両氏が勝っても、米国の内政に急激な動きはないでしょう。もし何かが変化するとしても、一度にすべてが変わるわけではありません。米国の政治はきわめて惰性的なものです。また米国には、パンデミック、経済、気候、人種差別問題における体系的危機など、地球規模の脅威に明確な答えを出した政治家はいません。一方、外交について言えば、ムチの政策ではなく、より外交術をうまく用いたものになっていく可能性はあります。おそらく、米国はトランプ政権時代に離脱した一連の国際協定に復帰し、また欧州との結束を取り戻し、対イラン政策、対中東政策を見直すことになるでしょう。またロシアとの関係については、戦法が変わる可能性も除外できませんが、全体としてロシアに圧力をかけるというやり方を止めることになるのは必至でしょう。一方で、女性というのは、両国関係に駆け引きや外交戦術を多く取り入れることができます。露米関係における最大の問題は軍備の管理です。バイデン氏は長年にわたり、軍備の管理に携わってきましたが、この問題の解決には時間がかかります。しかし、米中の対立が解消されないことを考慮したとき、米国はロシアの支援を必要とする可能性があります。もちろん、米国は今後も、米国が世界でもっとも主要な大国だという考えを変えることはないでしょう。しかし、トランプ大統領とは異なり、外交はより柔軟で、より予測可能なものとなる可能性はあると思います」。

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カマラ・ハリス氏

米国の憲法では、大統領が病気のために執務ができなくなった場合、副大統領が臨時大統領として、大統領職の権限と義務を遂行すると定められており、現職大統領が任期中に辞任せざるを得なくなった場合には、選挙を実施することなく、そのまま副大統領が大統領に就任する。バイデン氏の年齢と健康状態を考えれば、バイデン氏が大統領の座に就いたとしても、将来的にこのようなシナリオが現実になる可能性も除外できない。

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