03:04 2020年11月25日
政治
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2020年米国大統領選挙 (168)
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米大統領選で民主党のジョセフ・バイデン氏が勝利した場合、米国は、中国およびロシアに対する抑止政策を継続することにはなるだろうが、バイデン氏の手法はドナルド・トランプ現大統領の措置とは異なるものになるだろう。ロシアの東洋学研究者で、歴史家で、政治学者のドミトリー・ストレリツォフ氏は、中国・米国間の緊張の緩和は日米関係、ひいてはアジア太平洋地域全体の情勢に肯定的な影響をもたらすだろうとの見方を示している。

ストレリツォフ氏は、バイデン政権の下での日米関係は、日本にとってよりやりやすいものになるだろうと指摘する。「トランプ大統領時代は、“アメリカ・ファースト”―つまり自国第一主義が最大に優先されてきました。トランプ大統領は両国の経済協力における貿易不均衡に不満を表し、日本製自動車の関税の引き上げなどを求めていました。しかし、新たな大統領が政権に就けば、トランプ大統領の保守主義は過去のものとなるでしょう。この米国の戦略は矛盾した形で、日本と中国を接近させました。というのも、日本と中国は、自由貿易の規則に関し、共通した立場を占めているからです。保守主義に反対していることも同様です。中国は日本の主要な貿易相手国となりました。おそらくバイデン政権の下でこうした要素は目立たなくなり、米国と日本の貿易関係の拡大を促すことになるでしょう」。

中国に対する抑止政策は、日米関係において今後も重要な位置を占めるものになると思われるが、これに関連してストレリツォフ氏は、バイデン氏が大統領になれば、中国との関係においても軍事的な対立ではなく、平和的な外交に力点が置かれるものになるとの見方を示す。「民主党政権になった米国は、トランプ大統領時代ほど中国を悪魔化することはないでしょう。米国は中国を相互に有益な経済協力に引き込むことで、中国に対する外交方針をより現実的でより平和主義的なものへと修正するでしょう」。

またストレリツォフ氏は、バイデン氏が大統領に就任すれば任期中の4年の間に、米国政府は、中国との貿易戦争の緊張を緩和し、アジアにおける統合プロジェクトの復活を目指すことになるだろうと指摘する。「米国が環太平洋パートナーシップ協定に復帰するかどうかは確信が持てませんが、バイデン政権の下では、中国を突き放さぬよう、それと同様の提案がなされるでしょう。また米国は中国を協力関係に引き込もうとするのではないでしょうか。米国はあらゆる分野において(地域の軍事力強化を含め)、中国に対抗することが難しくなってくるからです」。

バイデン氏は米中関係を特徴づけるにあたり、「重大な競争相手」という言葉を使うのを好んでいる。バイデン氏は、アジアにおける米国の同盟国との関係強化の必要性を指摘し、「だから我々はアジアにおける相互関係と同盟を強化しなければならないのだ」と述べている。

米国と中国の戦略的競争は今後も続いていくだろう。しかし、その競争は可能な限り、穏やかなものになるとみられる。中国に対して米国がより慎重な政策を取ることにより、両国間の対立は弱まり、アジア太平洋地域全体の緊張度も緩和し、それにより日米関係、日中関係にも利益がもたらされることになるだろう。

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