10:18 2021年09月28日
政治
短縮 URL
筆者 :
0 75
でフォローする

6月11~13日の英国・コーンウォールでのG7サミットを目前に控え、東京の公益財団法人 フォーリン・プレスセンターは外国人記者むけに(株)日本総合研究所 国際戦略研究所の田中均 理事長をお招きし、「コロナ禍における世界情勢と日本」をテーマにしたブリーフィングを行った。これに参加したスプートニク現地特派員は、田中氏にG7における日本の役割について、また先のG7で参加国らがロシアを「最大の脅威」と断言したことについて見解を伺った。

ロシアが世界にとって最大の脅威?

先の5月の初めのG7外相会合で採択されたコミュニケには、中国とロシア、そして コロナによるパンデミックが現在の世界にとって最大の脅威と明記されていた。スプートニク日本特派員は田中氏に対し、なぜロシアがパンデミックと同列に並べられたとのか、またこれは日本にとって具体的にどんな意味を持つのかについてお話を伺った。

田中氏:「ロシアが脅威である理由を私はいくつも挙げることができます。それがG7の認識かどうかは別にして、私自身の認識を挙げれば、ロシアの脅威は日本にとっては北方領土。まさにこの北方領土の交渉というのは非常に停滞してしまった。これが未解決でいることが日本にとっての最大の脅威です。2つ目にロシアの核兵器。核兵器について、再びシュートした中距離核弾頭について、中国をも含め、きちんとした枠組みを作らなければいけない」

このほかにも田中氏はロシアが発生源の サイバーテロリズム や人権蹂躙行為といった脅威の例を列挙した。

田中氏:「それから3つ目にロシアのサイバーテロリズム。日本が直接被害にあったかどうかは別にして、欧米諸国はロシアのサイバーに選挙介入を受けた具体的なケース、証拠を持っているというふうに思います。また、ロシアの反体制派に対する飽くなき人権蹂躙行為。その他、過去の事を言えば、切りがないですが、そのクリミアの併合とか、ウクライナに対する軍事的な意味合いになる行動です」

田中氏は、ロシアもG7の価値を重んじるという姿勢を示すことでこうした状況は変えることはできると考えている。

田中氏:「従来のG8にはロシアも入っていたわけですが、もはや、ロシアはそういう観点から言えば価値を共有する国ではなくなってしまっているということです。ですから、私が申し上げたような数多くの脅威のソースを一つ一つ失くしていくことが良いのではないかというふうに思います」

日本はG7に何が貢献できるのか?

今日、この先のソリューションプランの策定を必要とする重要な問題に挙げられるのが、いかにしてポストコロナ社会をコロナ前よりも良いものにするかということだ。これに関して日本にも提言できることはあるだろうか? G7参加国のなかで日本が他国と異なって発揮できることは何だろうか?

田中氏:「残念ながら、日本は未だに独自でワクチンを開発できていない。ですからワクチンの輸出によってコロナを収束させる貢献はできないわけです。しかしながら、日本は類似の会議で明らかにしているように、援助資金を活用し、できるだけ幅広い国々に対してワクチンが配布されるように協力をしていきましょうということを言ったわけです。」

田中氏は、この先に同じ規模で起こりうるパンデミックにいかに備えるかを知るために、日本の経験は貴重な例となりうると信じている。

田中氏:「今のパンデミックにおける日本の経験が外からはどういうふうに見えているのかと言うと、実は現在の日本の1日に3000人程度の新規感染者数は他国に比べると基本的にものすごく少ないんです。今、非常事態宣言ですが、私自身は、クライシスマネジメントがうまくいったとは思っていません。ただし、 G 7の各国がどういう問題があるかをシェアして、将来のパンデミックに備えるということも大事ではないでしょうか。そういう意味で日本は独自の経験をシェアすることによって、世界のパンデミック対策に貢献できるんじゃないかと思います」

スプートニクはさらに政治学者のアンドレイ・マノイロ氏にも取材し、日露関係についての評価と田中氏のコメントへの回答を尋ねた。

『北方領土』問題については、ご存知のとおりその解決は 安倍前首相にはもっとも野心的な課題であり、安倍氏はなんとしても平和条約を締結しようと誓いを立てましたが、複数の原因から交渉は袋小路に入ってしまいました。日本側のほうが先手を取ろうと急ぎすぎたのだと思います。そうでなければ今頃、2島の引渡し条件についての交渉が行われていたでしょう…。ロシアからの核の脅威ですが、これは海上配備型の米国のミサイル防衛システムの配備を正当化させる方便でしょう。実際にはロシアは日本の脅威でもなければ、日本もロシアにとっては脅威ではありません」

タグ
G7, 日本
コメント・ガイドディスカッション
スプートニク経由でコメントFacebook経由でコメント
  • コメント