00:08 2019年10月19日
三菱ふそうトラック・バス【アーカイブ】

米国との貿易協定 日本車販売速度は関税廃止なしで減速するか

© AFP 2019 / Toshifumi Kitamura
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米国のドナルド・トランプ大統領と日本の安倍晋三首相は、米国の農産物や日本の工業製品、その他の食料品の関税を引き下げた限定的な貿易協定に調印した。こうして取引の第1段階として、米国産の牛肉や豚肉、チーズへの関税が引き下げられ、総額約70億ドル(7500億円超)の日本の市場が米国製品に開放された。しかし、両国首脳は日本にとっては最も頭の痛い問題に関しては具体的合意に達していない。それは日本車への税率だ。

自動車産業が日本経済の推進力であることを考えると、日米両政府は果たしてこの先、双方に受け入れ可能な妥協点を見出すことができるのだろうか。「スプートニク」は、ロシア人専門家にこの問題に対する見解をたずねた。

経済学修士でロシア科学アカデミー、極東研究所、日本調査センター上級研究員のヤナ・ミシェンコ氏は、今回、日本と米国が二国間貿易協定の第1段階で合意に達したということが重要だとして、次のように語っている。

「現段階では、米国議会での採択を避けるため、日米両国は限定的な合意で一致したと見ることができる。米議会ではトランプ大統領と彼のイニシアチブへの態度が非常に緊迫しているからだ。またおそらく自動車関税の扱いに関しては日本政府は、税率引き上げのリスクを回避するために現在の水準で固定するか、それとも米国の譲歩を引き出すため将来へ問題を先延ばしにするか、まだ疑心暗鬼の状態にあるといえる。ひょっとすると日本政府は、関税の一方的な引き上げはないと米国政府から口約束をもらい、協定の第1段階ではこの点を含めないことに合意したとも考えられる。」

政治学修士で、サンクトペテルブルク国立大学、国際関係学部、米国研究学科の助教授のグリゴリー・ヤルィギン氏もミシェンコ氏と同じ見解を示し、日本車の関税の引き下げに関しては、次の段階で米国と合意に達する可能性が十分にあると考える。

「日本は米国に大幅な譲歩を行い、米国産の食品に自国の市場を広く開放した。これを行ったからにはそれ相当の理由があるにちがいない。日本にとって重要だが、現段階ではまだ前提的な、何らかの合意が達成されたのだと思う。貿易取引はロードマップとしては徐々に実現されていくが、その結果は少し遅れて、具体的な協定となって出てくるだろう。米中間の貿易紛争では対話のプロセスが両極端な振れを見せるが、これはそれと同じように、状況が行き詰まっているということでは全くない。それにトランプ氏は大統領選挙までに、中国との紛争に比べて何らかのポジティブなものとの対比を迫られている。」

日本は米国との交渉で対立した場合、中国よりもはるかにもろい。それは日本経済のもっともデリケートなセグメントである自動車産業に対し、トランプ大統領が圧力をかけているからだ。

ヤルィギン氏は、日本政府は現段階では正当な理由で自動車関税に関する状況に焦点を当てていないと断言している。

「日本は現在、米国へ譲歩することで、事実上トランプ大統領の急進的な決定という難を逃れている。少なくとも長期的な展望でそうだ。きっと日本政府は、トランプ氏が大統領選挙で再選されるかどうか、皆目見当がつかないはず。比喩的に言えば、日本政府はだいたい2年先までに目を走らせているため、今はトランプ大統領のいくつかのアグレッシブな経済作戦にかなり忠実な態度をとっているのだ。」

日本が現在、米国の農作物に譲歩しているのは、自国経済の重要なセグメントの1つである自動車産業でこれ以上損失を被らないためだ。日本の自動車産業は、関税が廃止されずに、一定の期間、販売テンポを減速させたところで、そんなものは有利な状況になったら必ず加速できるとふんでいるはずだ。こうした見解でロシア人専門家らは一致している。なぜなら優れた日本の品質に対し関税を導入している国は世界中どこにもないのだから。

この記事に示された見解はスプートニク編集部のものとは必ずしも一致していません。

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経済, , 日米関係, 米国, 日本
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