10:13 2019年12月12日
安倍首相

2人の大臣の辞職は安倍首相の人気に影響を与えるか

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日本の安倍晋三首相が2人の閣僚の辞任について国民に謝罪を行った。その際、首相は事態の責任を受け止め、内閣での任務をまっとうするために必要なすべてのことを行うと約束した。「スプートニク」は、この辞任が内閣の支持率や今後の政策に影響をあたえるか専門家の意見を聞いた。

10月に予定されていた消費税の10%への増税を前に内閣改造が実施された。反対意見の多い増税実施の中、公職選挙法違反の疑いで2人の新閣僚が辞任(経済産業大臣と法務大臣)したことを、マスコミは専門家らとともにスキャンダルとして報じた。

しかし、ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センター長のワレリー・キスタノフ氏は、この辞任は日本社会の「確かな健全性」の兆候であると考えている。「安倍新内閣のイメージは、もちろん、野党が議会で首相を批判する材料を与えたということからダメージを受けた。それにも関わらず与党の立場は揺らぐことはなく、政権にはいかなる懐疑的な影響も生じていない。公選法違反の疑いで2人の大臣があっという間に辞職したということを、私は肯定的に評価している。なぜなら日本のエリートは、高い地位にあるにも関わらず、有権者の買収や汚職のケースといったこうした「傷」に大きく影響されることがないからだ」。

ロシアと日本の関係に影響が生じるか

辞任した元経済産業大臣の菅原氏は、この間、日本とロシアの経済協力問題を担当していた。同氏は10年以上にわたりある大手商社に勤務していたことから、安倍首相は同氏が日露交渉で力になると考えていた。しかし今後、ロシア政府との経済問題での連携は菅原氏の後継者が引き継ぐこととなった。「スプートニク」は、ロシアとの関係でなにか方針転換が起こるかどうか質問を試みた。

世界経済・国際関係研究所付属アジア太平洋研究センター、日本政治経済研究セクター長のヴィタリー・シュヴィドコ氏は、そうしたことはないと考えている。「安倍首相は実際にロシアとの経済的関係が発展することを希望しており、そのことが領土問題の解決を図る上で重要だとして、多くの力を注いできている。菅原氏の辞職は、新しい大臣は進捗状況を把握しなければならず、そのためには一定の時間が必要となることから、安倍内閣にとっては間違いなく問題となる。しかし、大臣の変更には政治的理由ではなく道徳性が求められることから、そのことが首相の方針転換をもたらすものではない」。

「日本のマクロン」

この秋の内閣改造では半分以上の顔ぶれが変わった。20人の大臣のうち13人が交代した。専門家たちの大きな関心となったのは、38歳の若さで新たらしい内閣のメンバーとなった環境大臣の小泉進次郎氏だ。同氏は、そのカリスマと教養からマスコミで「日本のマクロン」と評された。新内閣の平均年齢が60歳ということもあり彼の環境大臣への抜擢はサプライズといえる。

ワレリー・キスタノフ氏によれば、政府の「思いがけない若返り」は日本社会での今後の変化の兆しだという。朝日新聞の世論調査によれば、与党・自民党が持つ古いイメージにしばしば対抗し、若い世代の利益の守護者として小泉進次郎氏を支持するいう国民の声は71%にのぼった。キスタノフ氏は次のように続けた。「小泉氏の抜擢は、常に一定年齢の政治家が支配してきた日本特有の政治的現象と言える。つまり、これまで10年以上にわたり政治活動を行ってきた見識者らは、現在、変化を求めているといえる。若者は、おそらく、安倍首相の長期化の中で政権は悪くこそならなかったが、しかし、生活が際立って良くなっているとも思っていない。経済と人口の問題の解決は図られていない。 

若者は変化、また「新しい特性」の社会を求めているが、こうした現象は経済が停滞するどの国でも特徴となっている。小泉進次郎氏は、若く、カリスマ性があり、よりオープンで、年齢のいった政治家たちとは違い、しばしば爽やかな話題を提供する。同氏は日本では珍しい日本人とフランス人のハーフの女性と結婚した。国連の気候変動サミット直前でのニューヨークでの発言もしっかりと注目を集めた。また、小泉氏は若者の言葉で語ることから同年代などの理解を得やすい。


ワレリー・キスタノフ氏によれば、安倍首相の任期は2021年に終了するが、それまで対抗できるものはいないという。彼の政治生命は長く、日本の首相が毎年のように変わり、「ドアのスラミング」と呼ばれる中で、現時点で大変重要な要因となっている。「安倍首相に関しては、国内の政治状況に安定性をもたらし、国際舞台での外交パートナーの信頼を生み出したということから、成功したと言うことができる。彼らは、その国には固有の外交政策があり、それが維持されていくということを理解し始めた。そして、2人の大臣の辞職はそうしたことを邪魔することにはならない」。

この記事に示された見解はスプートニク編集部のものとは必ずしも一致していません。

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