03:34 2020年01月28日
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世界反ドーピング機関(WADA)執行委員会は12月9日、ロシアに対し4年間、五輪や世界大会を含む、主要な国際大会(major event)への参加資格を剥奪する決定を下した。処分の理由となったのが、モスクワ反ドーピング研究所によるデータの改ざん疑惑だ。ロシア選手はドーピングへの関与が完全に否定されれば中立選手として参加できるが、表彰台に上っても国歌斉唱や国旗掲揚は行われない。そしてロシア選手の参加基準を決定するのはWADAだ。さらに、ロシアは主要な国際大会を自国で開催する権利も奪われた。

WADAの決定を受けてロシア連邦スポーツ省のパーヴェル・コロブコフ相は記者会見を開き、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)管轄のモスクワ研究所は一切データを改ざんしていないと断言した。コロブコフ・スポーツ相は元フェンシング選手で五輪金メダリスト、さらに国際大会で6度も優勝した輝かしい経歴を持つ。コロブコフ・スポーツ相は改ざんを否定したうえで、WADAサイドのデータに問題があるのではないか、との考えを示した。スプートニク通信が事態のエスカレートは阻止できなかったのか、と質問したところ、「状況打開のために手は尽くした。WADAが新たな決定を下すたびに書類を用意してきた。我々としてやれることは全てやった」との回答を得た。

コロブコフ・スポーツ相によると、この制裁はフィギュアスケートGPシリーズのモスクワ大会「ロステレコム杯」開催に影響を与えるものではない。「スプートニク」はこの制裁について、ロシアのスポーツ連盟関係者に意見を伺った。

フィギュアスケート連盟のアレクサンドル・ゴルシコフ会長

WADAの決定は露骨に差別的なものだ。我々はロシアの選手を守っていく。この不当な動きに対抗しなくてはならない。そして何よりもまず「クリーン」な選手の利益を守る。その手始めに、スポーツ仲裁裁判所に提訴し、必要であればその他の調停裁判所にも異議申し立てを行う。

カーリング連盟のドミトリー・スヴィシチェフ会長

何よりもまず、この決定を提訴する必要がある。また、国際大会を主催するロシア関係者が被る損害額をすべて算出し、欧州の裁判所で請求する。WADAがこれほど厳しい決定を下したことは一度もない。「クリーン」な選手は絶対に大会への参加が認められるべきだ。こうした選手を守るべく、我々は戦う。ロシア代表抜きの国際大会はありえない。

バドミントン連盟のアレクサンドル・バグダチエフ報道官

この問題は何より先に法律家が審議すべきだ。というのも、WADAの判断には疑問の余地がある。一方、道義的観点で見れば、当然この決定には納得いかない。例えば、当連盟は1962年から活動しているが、この57年間で薬物に手を出した選手は一人もいない。一人も! 選手たちにどんな罪があるのか。今年9月にカザン市ではバドミントンの世界選手権が開催されたが、WADAも世界バドミントン連盟(BWF)も我々に対し何の指摘も行わなかった。私自身、「クリーン」なスポーツを推奨するが、誰かが「汚れている」からといって無実の選手がその責任を負うことは承服しかねる。いずれにせよ、当連盟としては日本で開催される五輪へ5人の選手を送り出すべく戦っていく……

ロシア柔道連盟のマリヤ・チホヌラボワ広報部長

本当にひどいニュースです。ロシアのスポーツに対する大きな痛手です。当連盟は国際大会に積極的に参加してきましたし、そのことが選手たちにやる気と情熱を与えてきたわけです。そして、当連盟にも誇るべき点があります。連盟発足から45年の間に16人の五輪メダリストを私たちは輩出してきました。さらに、50人以上が世界大会で表彰台に上り、ヨーロッパ大会では170人以上がメダルを獲得しました。ロシアの柔道選手は厳しいドーピング検査を受けていますから、その心配はしていません。我々は状況を確認すると同時に、スポーツ省の判断を踏まえて今後の対応を考えたいと思います。


WADAの制裁は公布から21日後に効力を発する。ロシアが提訴した場合、ローザンヌのスポーツ仲裁裁判所(CAS)による判決を受けてから21日後に効力を発する。ロシアは提訴するのか、まさにこの問題が12月19日のRUSADA監査役会で審議される。

この記事に示された見解はスプートニク編集部のものとは必ずしも一致していません。

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