08:53 2020年08月13日
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米国対イラン 中東の新たな対立激化 (55)
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1月8日、トランプ米大統領はイラクの米軍基地へイランがミサイル攻撃を行ったことを受け、国民に向けた演説を行った。トランプ大統領はイランへ報復攻撃は行わず、新たな制裁を発動すると発表した。トランプ氏はイラン政権に対し、テロ活動および核兵器の開発を断念するよう呼び掛け、イランとその国民の繁栄を祈念した。と同時にトランプ氏はNATO諸国、ロシア、中国に対し、イランの暴力拡散、核兵器製造、テロリストへの金融支援を封じる目的で、これに共同で圧力を講じるよう呼び掛けた。

米国務省
© AP Photo / J. Scott Applewhite, File
米国とイランの現状関係については2つの見方がある。世界の一連の専門家らは米国は軍事行動に走らず、イランも米国との軍事紛争は始めないと断言している。一方でこの2国が軍事衝突を起こし、その紛争に他の国が巻き込まれる可能性があると見る者たちもいる。スプートニクは国際問題、中東地域に詳しいロシア人専門家らに見解をたずねた。


選挙は戦争より大事

政治学者でロシアのカーネギー・センターのアレクサンドル・バウノフ編集長は、イランは対外的には強硬な態度をとってはいるものの、米国との開戦に急いではないという見方を示している。

「イラン指導部の急進派は、米国がイランと直接対決で戦争を起こすのを怖がったということは、イランは間接的な戦争を続行できるということだと結論づけているかもしれない。トランプ氏が比較的和平的声明を行ったことということは、この先、事態がどう展開しうるか、そのリスクを彼が理解していることを物語っている。イラクの米軍基地へのイランのミサイル攻撃に報復しないとすれば、弱腰、先が見通せないと批判の対象になりうる。だが批判には彼は慣れっこだ。ところが、対イラン戦争を開始しておきながら、大統領選挙(2020年11月)までに勝利できなかったとしたら、もっと困ったことになる。もしそうなったら臍を噛むのはトランプ氏だ。彼は制裁を発動し、イランに圧力を加える方を選んだのだ。」


「第2のベトナム戦争」は許すまじ

紛争の激化は米国、イランの双方にとって不要、と指摘するロシア民族友好大学比較政治学部のユーリー・ポチタ教授はスプートニクからの取材に次のように語っている。

「トランプ氏は慎重な選挙活動を行っており、『第2のベトナム戦争』は全く不要だ。しかも、選挙を目前に控えた今はなおさらだ。それに中東における米国の一番の連合国が、つまりイスラエルがこうした事態の発展に断固として反対している。イランも2月に議会選と専門家会議の臨時選出を控えている。

この先、事態がどう展開するか。それは不治の、または新たな政治、経済問題を抱え、政権争いがあり、諸国間、宗教派閥間の関係が巨大な矛盾に膨れ上がったこの地域の多くの事象と同様、先を読むのは難しい。」


一時停止状態の戦争

イラクのアーディル・アブドゥルマフディー首相はアル・アラビア通信からの取材に、中東情勢の過熱は地域紛争を超え、世界全体を巻き込んだ戦争に発展する恐れがあると指摘している。この現状は米国対イランの対立では一時的な休息状態にすぎないのだろうか? ロシアのエフゲニー・ブジンスキー中将はこれについて、ここ数日で状況が大きく変わることはないとの見方を示している。

「米国はイランに経済的な圧力をかけるだろう。イランはその報復として2つの方向で行動を起こす。つまり外交手段でイラクから米国人を追い出しにかかり、一方自国の核プログラムの発展速度を加速するだろう。」

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