20:15 2020年09月29日
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日本とベトナムの間で巡視船の借款支援契約が結ばれたことについて、国立サンクトペテルブルク大学極東諸国史学科のウラジーミル・コロトフ学科長はスプートニクからの取材に対し、東南アジアに反中連盟を創設しようとする米国の共通路線の一環という見方を示した。

8月11日、ジャパンタイムズは日本とベトナム間で巡視船6隻を支援する借款契約が結ばれたと報じた。これにより総額3億4500万ドルの巡視船の供給のための借款貸付が行われる。これまで日本はベトナムに漁船を供給していたが、軍事機器の供給は今回が初めて。

コロトフ氏は、米国は中国抑止戦略の枠内で中国と係争地域を抱える諸国を一つにまとめ、東南アジア条約機構に類似した組織を創設しようと図っていると指摘している。東南アジア条約機構は米国の発案で創設され、1955—1977年の間、存在していた。

コロトフ氏は次のように語っている。

「日本は外交政策、主権の安全保障政策を実現化することができず、すべてにおいて米国にお伺いをたてねばならない。日本とベトナムの軍事協力は反中的な性格を如実に表しており、米国のコントロールの元で実現されている。6隻ではパワーバランスは変わらないが、同様の取引は多く、しかも相手は日本に限らない。軍備的な視点から見た場合、ベトナムは完全には自立していない。」

コロトフ氏は、米国は中国との直接的な軍備対立を避けながら、中国と領土問題を抱える全ての諸国に間接的に支援していくだろうと見ている。2016年5月、米国は1984年から続いていた対ベトナム禁輸措置の無効を宣言している。

コロトフ氏は、「この先、地域の対立激化を狙う試みが行われ、領土問題を抱える国を巻き込んだ国際紛争に中国をもつれ込ませようとするだろう」と見ている。

コロトフ氏は、ベトナムの軍事ポテンシャル伸長を図る路線は南シナ海の特殊性を加味して実現されており、南シナ海のようにリーフ(礁)が極めて多い場所でパトロールを行うことができ、中国の動きをすぐさまキャッチできる軍事機器が供給されていると指摘している。

コロトフ氏は、ベトナムの軍艦は大部分がソ連、ロシアから供給されたものであり、今回の日本の貸付による巡視船6隻はベトナムの軍備市場からロシアを締め出すことにつながる恐れがあると語っている。

ベトナム海軍は主にロシア、ソ連製のコルベット、ミサイル艇、巡視船で成り立っており、ベトナムが自力で造船できるのは貨物船と上陸用舟艇に限られている。

ロシアは軍用機Su-30МКVも供給してきており、現在、ベトナム空軍は世界最良の戦闘機に数えられるSu-30も装備している。ただし数はロシア、中国、インドには劣る。ここ数年、ロシアからベトナムに対して行われた大型供給では大型ディーゼルエレクトリック潜水艦のプロジェクト636が6隻、高射砲S-300、戦車Т-90Sが列挙できる。ベトナムはゲパルト型フリゲート3.9を2011年から2017年の間に4隻購入しており、ロシアのマスコミ報道によれば、新たに2隻の購入が予定されている。

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軍事, 武器・兵器, ロシア軍
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