15:50 2020年10月24日
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ロシアの新型コロナワクチン (41)
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ロシアによる新型コロナウイルスワクチンの開発は、政治および資金上の見地からみて西側諸国にとって一種の脅威となった。現在、ワクチンに天文学的な金額が「賭け」られているが、西側の製薬会社はこの賭けに負けるかもしれないからだ。例えば、ロシア製ワクチン1億回分をインドに供給することで合意したというニュースがそうだ。ロシア製ワクチンの評判を失墜させようとする数多くの試みが行われていることは何も驚くことではない。なぜならそこには大きな政治や大きな資金が関係しているからだ。

筆者:イリナ・アルクシニス


世界で最も長い歴史があり、最も影響力のある医学雑誌の1つ、ランセットに掲載されたロシア製ワクチンの臨床試験に関する記事が、電光石火の速さで批判された。世界のメディアは、「ロシアの研究者たちが犯したであろう間違い」についての危惧を表明した米テンプル大学の生物学の教授、エンリコ・ブッキ氏の公開書簡を大きく報じた。この公開書簡にはブッキ氏の他に西側の学者25人が署名した。

ランセットはロシアの開発者らに対し、出された問いに答えるよう要請した。そしてワクチンを開発したガマレア研究センターはランセットに新型コロナワクチン「スプートニクV」の完全な臨床試験プロトコルを提示した。

しかし今回の問題は、純粋に科学的なデータにあるだけではない。

実のところ、ブッキ氏はかなり注目すべき人物なのだ。同氏は2016年に科学論文の検証などを専門とする会社、Resis Srlを設立した。

これは現代科学においてかなりトレンディーなテーマで、近年では発表された記事の間違いが重大なものも含め頻繁にみつかっている。それは必ずしも悪意のあるものや詐欺などではなく、多くの場合が単純な間違いだが、それが明らかになると学者、さらには研究機関全体の名声にダメージを与える。そのような問題を回避するために、最近は論文の著者や研究機関が発表・公開する前に論文の検証を専門とする独立した会社に依頼することも珍しくない。特にブッキ氏の会社は論文の検証を行うためにドイツのフリッツ・リップマン研究所と契約している。かつて同研究所をめぐっては、発表した論文のとんでもない間違いによって大きなスキャンダルが勃発していた。これについては1年前に学術雑誌ネイチャーが伝えている

微妙なのは、このようなビジネスが特定の倫理的な制限を課しているという点だ。2019年12月、そのネイチャーに科学研究の純粋さと誠実さに関する記事が掲載され、ブッキ氏はその共著者だった。そしてそこではブッキ氏が利益相反状態にあることが指摘されていた。

簡単に言えば、営利会社の所有者がその専門とする活動について公に話すとき、それは本質的にその会社の宣伝になるということだ。

西側はロシア製ワクチンにさらなる打撃を与えるためにブッキ氏の公開書簡(定義上、自己宣伝でもある)を使った。ロシア製ワクチンの指導的地位を損ねる、あるいは、せめて弱めようとした。

そしてこれはブッキ氏にとって他の状況ではありえない規模とレベルの宣伝になった。それは間違いなく非常に魅力的な新たな商業契約という形でブッキ氏のもとに返ってくるだろう。しかしこれは科学全般、特に医療とは何の関係もない。

この記事に示された見解はスプートニク編集部のものとは必ずしも一致していません。

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