16:32 2019年12月14日

ケバブ広告に半裸の「殉教女性」 ロシア正教会を侮蔑でSNSは論争の嵐

© 写真 : Vkontakte/ Shaurma ne za gorami
ロシア
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7月11日、ロシアのペルミ市にあるロシア正教の大主教管区はFacebookを通じ、ケバブの店のうった広告について警察に苦情を申し入れた。教会の不評を買ったのはケバブ屋の出した広告ポスター。ポスターには半裸の姿の女性殉教者が描かれ、自分は「神の如きケバブ」の虜となってしまったと告白している。広告はSNS上で論争の嵐を呼び、様々なレベルの省庁がこれに関心を向けるまでに至った。

​ペルミ大主教管区のアンドレイ・リトフカ書記の発表(現在は削除)によれば、管区にはカフェ「『神の如きケバブ』を出すカフェの広告に憤慨した市民からおびただしい数の苦情電話が入っている。

問題の広告の文言は次のようなもの。

「神の如く美味なカフェ『ケバブ』で過食の罪を犯さず、味の誘惑に身を任せよ。正しい食生活の殉教者になり給うな。」

この広告はSNSユーザーを激しく憤慨させた。

「ペルミのこれは一体何よ!!!! こんなの絶対許したらだめ!」と書いているのはリトフカさん。

「ケバブはだいたいイスラム教徒の食べ物でしょ! なんで私たちの宗教を使うのよ?」

地域の連邦独占禁止庁の発表によれば、同カフェの広告は専門家会議で討議され、合法性の確認が行われる。

独禁庁は、広告コピーの作者らの行為は、宗教上のシンボルに対する非礼かつ侮辱的な使用を禁じた「広告法」の条項に違反すると指摘している。

内務省宗教部は、広告に対する苦情は現時点では寄せられていないものの、同部署では状況把握にすでに乗り出したことを明らかにしている。

広告がロシア正教会、連邦独占禁止庁、警察の注目をひいたことを知ったケバブ屋のオーナーのヴェロニカ・ブルディナ氏はスプートニクからの取材に対し、キャッチコピーの考案者らには誰かを侮辱する気は毛頭なく、使われたイメージはキリスト教の天使でもなく、「神の如く」という文言は「この上なく素晴らしい」という意味で用いられたものと説明している。

さらにブルディナ氏はSNS上に出した広告はすべて削除したことを明らかにした。

ただしブルディナ氏自身、自分の思いつく広告は「一線を越えかねない」ものであるとは認識していたと打ち明けている。

「我々の目指すコンテントは陳腐ではないものだ。」

広告が削除されるとこんどは大主教管轄区域の反応を否定的にとらえる声があげられた。

「腹を立てたい奴は、かならずその方法を見つけるものさ」というコメントもあった。

ロシア語のインターネット上で宗教上の象徴の使用をめぐる論争が巻き起こったのはこれが初めてではない。

2019年2月、ウフ市のイラストレーターがアニメのヒロインのタッチで描いた聖母像がロシア正教会に同様の反応を呼んだ。

アニメの聖母像の場合はユーザーの意見は真っ二つに割れた。アニメ風イコンは信者の感情を侮辱するという声もあれば、新しい創造の在り方だと擁護する人も現れた。

ロシア社会では「信者の感情を侮蔑」したことに対する罰則の厳格化をめぐる議論が鳴りやまない。

2013年、それまでは民法の範囲に限定されていた条項が、「公衆の面前で社会に対する明らかな不敬および信者の宗教的感情を侮辱する目的で行われた行為に対して」刑法上の責任も問うようになった。

これはロシア正教に限った話ではない。2014年の調査ではロシアでは国民の68%近くが自分をロシア正教徒だととらえているが、ロシア全人口のほぼ7分の1を占めるイスラム教信者(2017年の調べでおよそ2千万人)にも関係してくることなのだ。

罰則の厳格化に反対する市民は、同法律は信者の擁護につながるというよりは、むしろインターネットをふくめた様々な空間で宗教、無宗教のテーマを表現する自由を侵害していると主張している。

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SNS, 文化, スキャンダル, 正教会, 宗教, 正教, ロシア
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