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    ロシア国内の科学ニュース(3月23日号)

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    学界周辺の動向をご紹介するコーナー。

    放射線測定はマトリョーシカにお任せ

    月や火星への惑星間フライトで、宇宙放射線の帯に宇宙船が突っ込むことがある。そこに長時間とどまると、宇宙飛行士の健康に致命的な悪影響が出る可能性がある。そこでISSロシア・セグメントが考案したのが、「マトリョーシカR」なる装置を使った実験だ。擬似人体を用いた、放射線の線量測定である。擬似人体は、人体の皮膚の組成に可能な限り近づけた、特別な物質で作られる。これで人体への放射線の影響度を正確に測定できる。宇宙船の内部また外部のすべてのポイントで計測が行われる。開発者らによれば、「我々は人体の外形を真似たのでなく、放射線がどのように侵入してくるかということを真似た。形は単純な球形で、様々な深さで放射線の侵入具合を見るべく、各層ごとに計器が備えられている。マトリョーシカと呼ばれる所以はここにある。球形ゆえ、コンパクトで、かつ効率的だ。ISSにおいては、重さとサイズは重要なのだ。このマトリョーシカ、日本からも関心が寄せられている。求めに応じて、我々は、日本のモジュール「きぼう」における放射線測定にこれを貸し出すことにした。今年このマトリョーシカは「きぼう」に備えられ、宇宙放射線を測定する。宇宙における国際協力の一例である」

    複合材料プリンターで無人機もロボットも

    スコルコヴォ科学技術センターでロシア初の複合材料プリンターが開発された。このプリンターは炭素繊維など、そのメカニカルな特性で他の素材に優越する複合材料を使って立体を印刷することが出来る。試験的に作られたサンプルの強度で既に最大のライバルである米国のMarkForgod社のそれを2倍上回った。ロシアの複合材料プリンターで印刷された部品が、たとえば無人飛行機、クワッドローター、ロボット、義肢に利用されることが期待される。2年後には航空宇宙産業の建設資材も印刷される計画である。

    自動車も空を飛ぶスロヴァキア

    スロヴァキアは2017年に空飛ぶ自動車の量産体制に入る。折り畳みの翼をもち、草地や平らで真っ直ぐな道から離陸できる。加速には200mほどの直線があればよいという。燃料満タンなら時速60kmから160kmで700kmを飛翔可能であるという。車体にはカーボンファイバーが使われる。重さは450kg、長さは6m、幅は翼が折り畳まれた状態で1.6m。スタート価格は数十万ユーロだという。

    人間の頭部の移植

    イタリアの神経外科セルジョ・カナヴェロ氏が人類初となる人間の頭部の移植手術を2017年にも行う計画を発表した。対象は、腫瘍を患い、麻痺を抱える患者。基礎となる技術は既に確立されている。ロシアでは1954年に既にデミホフ博士による犬の頭部移植手術が行われている。一頭の頭を別の一頭の胴体に植え付けたのである。頭が2つあるイヌが出来上がったわけだ。この二頭犬、1か月を生き延びた。この間2つの頭はそれぞれの人生を生き、別々の皿から食べ、または飲んだ。続いて70年代には米国のワイト医師が猿の頭を別の猿の胴体に植え替えた。二頭猿は9日間を生き延びたが、免疫システムが外来機関を拒絶した。

    ともかく、イタリアのカナヴェロ氏の手術が2017年、ロンドンで行われる。移植先となる体を提供するのは既に脳死状態にある人。まず移植先・移植元の体をよく冷やしておく。ついで、2つの頭を鋭い刃で同時に切断する。次に、脊髄末端をポリエチレングリコールで接合する。それから患者は4週間にわたって昏睡する。「新しい顔」が体に馴染むまで、血管や筋肉は決して動いてはならないのである。昏睡状態が明けると、その人はもう体を動かすことが出来る。顔も体も自分のものであり、今までと同じ声で話すことが出来る。しかし医療倫理の問題はどうなのだろう。また、たとえば、この合成人間が子供を作ったら、その子の父は誰ということになるのだろうか。セルジョ・カナヴェロ氏は言う。近い将来、クローン技術が進歩すれば、自分自身のDNAで作った新しい体に、古びた頭部を植え替えることが出来るようになる。そしたら問題はなくなる……か?

    エジソンの「霊界通信機」

    米国の発明家トーマス・エディソンといえば、白熱電球や発電機、蓄音機の発明で知られる、歴史的偉人である。そのエディソンが死者と話せる「霊界通信機」の開発に血道を上げていたことを知る人は少ない。今年3月、発明家の回想録のフランス語訳の、人知れぬ一章が刊行された。飽くことを知らない探究者・発明家であったエディソンは、霊の存在、霊と通信する可能性を固く信じていた。自ら開発した蓄音機の音声シグナルを強化し、「霊界通信機」にまで高めようとした。友人と「先に死んだ方が生き残った者にあの世からメッセージを送る」という約束までした。エディソンが構想しながら実現できなかった唯一のアイデアとなった。

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    宇宙, 自動車
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