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    顕微鏡

    ロシア国内の科学ニュース(5月11日号)

    © Sputnik/ Valery Melnikov
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    学界周辺の動向をご紹介するコーナー。

    ロシアの携帯用人工心臓

    ペテルブルグの救急医療研究所臓器提供センターが、臓器中の血流を人工的に回復させる携帯用機器を開発した。臓器の外で機能する人工心臓であるという。心臓の外科手術では早くから使われていたものだが、携帯版は初めてだ。たしかに心臓は、病院から遠く離れた場所で、突如停止してしまうかも知れない。この装置を救急車や救助隊が装備すれば、人命救助の成功率が上がろうというものだ。
    この装置は移植手術にも使える。死亡診断を受けた身体の処遇について、保護者が移植への利用の是非を考えている間に、各臓器が損傷するのを防いでくれる。実際この機械を使えば、腎臓や肝臓、肺の寿命が延長することが確かめられている。 現在同様の実験が心臓についても行われている。成功すれば2年以内に工業生産が始まる予定である。

    ロシアの携帯用人工骨格

    筋肉・骨格系が損傷した人も自由に移動できるようになる。ロバチェフスキイ記念ニジェゴロド国立大が「エクゾスケレット」なるものを開発した。見てくれは人間の骨格に、機能はロボットに似ている。患者の体に固定すると、人間に特有の一定の動作を行う。それによって患者の弱体化した筋肉を刺激し、関節を刺激する。これで、脳や脊髄を深く痛め、自力で動くことが出来なくなった人たちも、アクティブな人生を取り戻すことが出来るというものだ。日本やイスラエル、米国では、このようなものはだいぶ前から使われていた。しかしそれらのものはサイズが大きく、医療機関やリハビリセンターに備え付けのものであった。しかしロシア版は携帯可能で、自宅でのリハビリはおろか、実際に街に出て歩くことも出来る。素材はジュラルミン。患者の下肢や胴体にベルトで固定する。胴体部に電池や計算装置が取り付けられている。この装置が動作の軌道を計算し、ある動作のある過程で筋肉の使い方が的を得ているかどうかを判定する。この装置が自らの計算結果を電動モーターに伝え、その電動モーターが人工骨格全体に必要な動きをとらせる。

    劣悪な環境に自ら適応するスマート素材

    ロシア科学アカデミーシベリア支部トムスク強度物理・材料性向研究所が北極や宇宙、核施設などの苛酷な環境に用いられる新素材の開発に成功した。トムスク研究所はナノ技術を用い、通常の素材から、その強化版を開発している。ただの強化ではない。素材自身が、極寒、灼熱、電離放射線、強い荷重といった状況に応じ、強度の回復を図るのである。既に目に見える成果が上がっている。たとえば、宇宙機器の出窓を覆う特殊コーティングに隕石に対する防護として使用されている。頑丈で、かつ、全く透明なのである。このような奇跡の素材を創り出すまでに、メンデレーエフの周期表の元素、実に10種類もが試験された。まるでおとぎ話に出てくる魔法の道具である。火の中で燃えず、水の中に沈むこともない、というやつだ。

    隕石から地球を守る千里眼

    ロシア科学アカデミーシベリア支部トムスク大気光学研究所が驚くべき複合機器の開発に成功した。地球に危険なまでに接近した宇宙ゴミや小惑星を追跡するものだ。オペレーション部と観測部の2つのブロックをもつモジュールが観測所に設置された。いわば千里眼のモジュールである。大気の全体について情報を取得し、大気を通過する天体を捕捉することが出来る。ステーションの助けを借りて、その天体が何なのか、衛生なのか、使用済みロケットの残骸なのか、等を判別できる。この装置が、もし再びチェリャビンスク隕石のような隕石が地球に接近してきたとき、事前に警告を出してくれるよう願おうではないか。

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