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    チリのカルブコ火山が噴火。

    火山の噴火でグローバルなカタストロフィが引き起こされる可能性はあるか?

    © AFP 2017/ David Cortes Serey
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    これまで世界の終わりについて、様々なお手盛りのうわさがささやかれ、人々は不安に悩まされてきた。しかし先日、ウィーンにおける欧州地学連盟総会で、欧州学術基金の学者たちは、「21世紀末にもグローバルなカタストロフィが訪れる、それも、脅威は宇宙から来るのではなく、足元から、地球の核からやってくる」と真正面から宣言してみせた。

    地震学者らによれば、途轍もないパワーをもつ火山の噴火がこの惑星を見舞う可能性は、ちょうど10%であるという。相当大きい数字である。このような数字が出されたからには、この危険を問題にするべきであり、予防とまではいかなくても、それに向けて準備し、被害が軽減されるよう努めるべきである。学者らは各国のリーダーに向け、火山活動のモニタリングに、毎年30億ドルを拠出するよう呼びかけた。
    モスクワ国立大学地質・鉱物学研究科のパーヴェル・プレチョフ教授はこれよりは楽観的である。

    「欧州基金の言う脅威というものは私の目には見えない。弱い噴火というものは、それこそ毎日起きているが、誰もそれを気に留めない。噴火は強ければ強いだけ、起こる頻度も稀である。非常に大きな噴火となると、その頻度は、およそ100年に一度である。これがわれらが惑星の常態である。気候の大変動はこれまでにも起こったが、それらが地球の生命の絶滅をもたらすことはなかった。生命はそのつど、新しい環境に適応していった」

    しかし恐竜の絶滅は?現在有力な説として、恐竜絶滅は噴火による、というではないか。しかしプレチョフ教授は、噴火による絶滅というのは必ずしも正確ではない、と言う。

    「恐竜絶滅は6500万年前のことだ。この破局的事象は相次ぐ噴火によってもたらされたものである。インドの巨大なデカン高原もこれによって形成された。およそ100万年のプロセスだった。つまり、ひとつの大噴火があり、生あるものが悉く死滅した、というのではないのだ。大型の噴火が複数起こったのだ。それで地球の輪郭が、気候が、大気組成が、水の成分が、段階的に変化していった。結果的に、一部の種が新しい環境にうまく適応できなかった」

    その点人類は、動物たちに比べ、有利な立場にある。人類はこの間、外的環境の変化に適応することに習熟した。そんな人類なら、惑星規模の大転変があっても、新しい世界に適応することが出来るであろう。

    プレチョフ氏によれば、今日、活火山は例外なく学者らに知られている。精密な観測が行われており、今後の動向もある程度予測することが出来る。しかし、地球には、潜在的に大噴火の危険がある場所が夥しくある。しかし学者たちはまだそれらの観測を行うことが出来ないでいる。

    「特に危ないのは、まだ噴火が起こっていない地域である。新しい火山が誕生したとき、多くの犠牲が生まれるかも知れない。グローバル観測ネットワークを構築する必要がある。グローバル・モニタリングの理念が私に近しいのはそのためである。私は、欧州学術基金の学者たちが打ち出した、グローバルなモニタリングのために300万ドルを、というのは、人類の安心のためにはそう大きくない金額だと思う」
    火山の噴火で人類が絶滅するという脅威は直接的には存在しない。しかしローカルな、または惑星規模の被害はあり得る。プレチョフ氏はそう見ている。将来の被害を最小に抑えるために、火山活動が活発な地帯では、潜在的に危険な全ての火山を観測するべく、今日にも態勢を整えるべきではないか。備えあれば憂いなし、というやつである。

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