イスラエルの探査機の事故で地球最強の生物が月面に移住

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小さな無脊椎動物であるクマムシ(緩歩動物)が、今年4月の月面着陸の際に損傷したイスラエルの月面探査機「ベレシート」号に積まれていた。この生物は、地球上でもっとも生命力が強いと考えられている。研究者らは、事故後もこれらの生物が生き残っていると確信している。「ガーディアン」紙が報じた。

今年2月に打ち上げらた月面探査機「ベレシート」号には変わった荷が積まれていた。それは宇宙空間に人間の知識のアーカイブを作成するために月に送られた人類史の科学データバンクのディスクだった。ディスクにはたくさんの乾燥されたクマムシが取り付けられていた。これらは極小の無脊椎動物でどんな環境でも生き残ることができる。これらの生物を送り出した非営利団体「アーチ・ミッション・ファンディション」のノバ・スピバック代表は、クマムシたちは「ベレシート」号の事故後も月面で生き残ったと確信している。

​団体のツイッターでは、クマムシは「25層のニッケルでゆっくりと凝固するエポキシ樹脂に閉じ込めら」れ確実に保護されたと指摘する。しかし、月面に落下した際に生物たちが飛び散り、月面のクレーターに適応したとはとても考えられない。研究者らは、生物たちが再び活性化するには大気と同様の環境に置かれ水が加えられる必要がある強調する。

​クマムシ-もっとも生命力の強い地球上の生物

クマムシは科学の世界では有名なユニークな生物。絶対零度での冷凍や摂氏150度での過熱、強い放射線、酸素や水のない状況を克服し、その上、そうした環境で長期間、数十年生き残ることができる。クマムシは極限状況にも順応し、また深い休眠状態に入ることもできる。研究者らは世界の終わりまでこの生物は生き残る可能性があると推測する。

​クマムシのサイズは1ミリ以下で頭と8本の足がある。極限状況ではこの生物は頭、そして外肢を失うが、その後、再生させる能力がある。この驚くべき生命力のおかげでクマムシは月面への送り出しに選ばれた。

月面探索機「ベレシート」号の事故

イスラエル初の月面探査機「ベレシート」号は2月22日に打ち上げられた。「ベレシート」号はかつて月面に到着した探索機の中でもっとも小さい。サイズは洗濯機より若干大きいくらいで、直径1.5メートル、重さは600キログラム。さらにこの月面探査機は世界ではじめて私費によって打ち上げられた。スタートアップ企業「スペースIL」が研究プロジェクトを立ち上げ、「航空宇宙産業イスラエル(IAI)」の研究者らが協力していた。

しかし4月11日、主力エンジンの故障のため、宇宙船が月面にハードランディングし、その結果破損した。

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