研究者らがアラスカ海底火山の「唸り声」の謎を解明

© AP Photo / T. Keith/Alaska Volcano Observatory/U.S. Geological Survey研究者らがアラスカ海底火山の「唸り声」の謎を解明
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アラスカ沖に位置するアリューシャン列島の海底からそびえる成層火山「ボゴスロフ島(訳:神の言葉)」は、噴火の際、水面上にドーム型の黒色のガスの塊と威嚇に似た大きな「唸り声」を発する。研究者たちは、低周波音装置を利用してこの不思議な現象を解明した。科学誌「ネイチャージオサイエンス」に研究結果が掲載された。

「低い声でつぶやく」アラスカの火山

通常、月に数回起こるボゴスロフ島の珍しい噴火は、研究者らの関心を引いた。火山の噴火時には、海中にガスの巨大な気泡が発生する。それぞれの気泡の大きさは300メートル以上。これはサッカーのフィールドよりも大きい。そして上昇した気泡同士が結合し、水面上にドーム型の巨大な黒いガスの塊が形成される。

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しかし、ボゴスロフ島噴火前に起こる最も神秘的な現象は、周囲数キロメートルにも響き渡る奇妙な唸り声と、海面の強い振動だ。

米アラスカ大学フェアバンクス校の地質学者らは、ボゴスロフ島の奇妙な「唸り声」の性質を研究した。学者らはボゴスロフ島から59キロ離れた海面に低周波音測定用のマイクロホンを設置した。9か月間で70回以上のボゴスロフ島の噴火の音を録音した。

学者らはコンピューター・シュミレーションによって、噴火の際にボゴスロフ島から流れ出たガスを豊富に含む溶岩が海水と混ざり合うことを明らかにした。

噴火にともなう珍しい現象の原因は?

ボゴスロフ島噴火の際にはガスを多く含んだ溶岩の激しい噴出が起き、海中の噴火口の上に、溶岩から分離された水蒸気、二酸化炭素、二酸化硫黄に満たされた大きな泡が形成される。この泡は水面へ浮かび上がりながら膨張し、水面近くで分裂して小さな泡が集まった巨大な集合体を形成する。この過程で低周波音の「唸り声」が発生する。

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