15:07 2020年06月07日
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4月28日、日本の河野太郎防衛大臣が記者会見で、米国防総省がUFOのビデオを公開したことと、その信憑性の確認について「自衛隊のパイロットは今までUFOに遭遇したことはないが、万が一遭遇した時の手順をしっかり定めたい」と述べた。国防総省はなぜ今、新型コロナウイルスのパンデミックの最中に映像を公開したのだろうか?これに何か意図はあるのだろうか?これらの疑問をスプートニクが専門家にぶつけた。

2018年2月、日本政府はUFOに関する公式見解を表明し「その存在の証拠はない」と述べている。今回、河野大臣は米国防省側から真意と専門家の分析結果を聞きたいと話した

4月27日に公開されたのは、2004年と2015年に米軍用機搭載の赤外線カメラが撮影した3つの映像である。映像では、複数の飛行物体がある程度はっきりと見てとれ、当惑したパイロットの会話が聞きとれる

米国防総省は、2017年にはこの映像の機密を解除していたが、今回、この映像が本物なのかというあらゆる誤解を払拭するために映像の公開したと強調した。

米国防総省の公式サイトの声明には、パイロットが発見した物体はUFOではなく「未確認航空現象(UAP)」だと考えられ、国防総省は他の惑星からの飛行物体だとは認定しないと記されている。しかし一方で、映像に捉えられた「未確認航空現象」の正体は確定できていないとも記されている。

氷山の一角に過ぎない

公開された映像について、80歳のアメリカ民主党元上院議員のハリー・リード氏は自身のツイートで次のようにコメントした。「国防総省がこの映像をついに公開したことを嬉しく思う。しかし、これはこれまでの調査研究や利用可能な映像の「氷山の一角」にすぎない。アメリカは国家安全保障に対するあらゆる潜在的影響を真剣かつ科学的に検討すべきだ。アメリカ国民はこれを知る価値がある。」

​ちなみに、ハリー・リード氏こそ、米国防総省の先端航空宇宙脅威特定計画(Advanced Aviation Threat Identification Program)」の発案者の1人である。同プログラムは2007年に2200万ドルの予算で開始され、5年にわたって実施された。同プロジェクトの目的は、UFOの発見と特定だけなく、そうした飛行物体がロシアや中国の最新の開発ではないかを確認することでもあった。

なぜ今ごろ?

国防総省の映像公開がなぜ今、新型コロナウイルスのパンデミックの最中に行われたのだろうか?これに何らかの意図はあったのだろうか?

拓殖大学の佐藤丙午教授のご意見:「米国防総省からは、未確認飛行体に関する映像・情報が発表されたことがあり(海軍による)、今回の発表は、映像が非機密であるとして、その公表を承認したに過ぎない。4月27日に公表されたが、国際的にもそれほど注目を集めたわけでなかった。コロナ問題が注目されている中での公開は、映像のインパクトを緩和する目的があると見ることも可能だが、映像自体は特別なものではなく、国際社会にとっても、大きな驚きではないのではないか。コロナ問題への対処に関する国内の批判をそらすために映像を公開したとの指摘もあるが、その意味では成功していない。

河野大臣の前に、石破防衛大臣がUFOが来襲したときの自衛権の問題に言及したことがある。河野大臣は領空侵犯への対処の観点から問題提起した。いずれも、現行法制度の問題を指摘したものであり、UFOの存在自体を問題提起したものではない。その意味で、UFOの存在を政治家が信じるかどうかという観点から、河野大臣の発言に興味深い点はない。ただし、中国やロシアでは、今後ドローンや無人兵器など、従来の兵器体系に存在しない新システムの採用が予想される。その状況に対応するための法的議論を開始するという意味で、今回の国防総省の映像は、一つのきっかけになったのではないか。」

宇宙物理学者で国立モスクワ大学物理学部のウラジミール・スルディン上級研究員は、国防総省が公開した映像は今後さらなる研究調査が必要だという。

「この映像の議論に参加したほぼすべての人の結論は、撮影に使用されたビジュアルガイダンスシステムの技術データがなければ解釈は不可能だというものです。しかし、「センセーション」を起こす時期としては、国防総省の選択は成功でした。なんとかして社会的緊張を和らげ、パンデミックから焦点を逸らせる必要があったからです。一言で言えば、国民を楽しませるものが必要でした。」

航空専門家のドミトリー・ドロズデンコ氏は、別の見方をしている。「これは人々を落ち着かせたり、興味をそそったり、楽しませるためのフェイク情報ではないと思います。このトピックは定期的にアメリカのメディアに浮上しています。かつて、空軍秘密基地「エリア51」でエイリアンの実験が行われているというような記事が出たことで、「エリア51」の襲撃が起こりそうになったこともあります。

パイロットが空中で奇妙な物体を目撃したケースはとても多く、そうしたケースはすべて報告書に記されています。アメリカとソ連の両方がこれを真剣に調査研究していたのも無理はありません。こうしたプログラムが完全に廃止されたとは考えられません。UFOの起源に関しては、もちろん、光学的ひずみ、大気現象、気象観測気球、観測ロケット、最新機器の実験という可能性もあります。しかし、異星人の起源を断固として否定することもできません。」

日系アメリカ人の理論物理学者で科学の普及に貢献するミチオ・カク(賀来道雄)氏も同じような考えだ。2019年9月にバルセロナで開催されたUFO世界会議で講演した際、彼は、宇宙は138億年前からあるのに対し、地球科学が誕生したのはわずか300年前であると述べ、すなわち生物が存在する可能性のある、最近発見された4000個の太陽系外惑星のいずれにおいても、異星人の文明は、人間の文明よりもはるかに長きにわたって技術発展を続けてきた可能性があると述べた。

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米国, UFO
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