12:07 2020年10月20日
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ロシアのシベリアで謎の巨大クレーターが出現したと最初に報告されたのは、2013年。その原因について今までに様々な憶測が巻き起こったが、現在ではほとんどの研究者らが、永久凍土下にできた空洞にメタンガスが蓄積され爆発したことでクレーターが出現したとみている。

シベリアのツンドラに住む住人から強力な爆発が起きたとの報告がされ始めたのは2013年だったが、ロシア人研究者らによる本格的な研究が始まったのは2017年。さらにその年にはシベリア北西部のヤマル半島に住むトナカイの飼育業者から大きな爆発音と煙が上がっているという目撃報告が寄せられた。現場に到着した研究者らは、氷の破片や土の塊で周りを囲まれた直径7メートル、深さ約20メートルの巨大クレータを発見した。それ以来、研究者らはさらに17個の巨大クレーターを確認。地元住民はこれらのクレーターをブラックホールと呼んでいる。

このシベリアの「ブラックホール」の起源については、今まで様々な仮説が存在していた。フォーブスによると、現時点で最も有力な仮説は、永久凍土の表面の下で、氷の融解によって空洞になったポケットにメタンガスが蓄積し爆発が起きたというもの。

ヤマル半島では土壌中に生息する微生物の生命活動の産物としてメタンガスが発生することから、ロシア最大の天然ガス鉱床が存在する場所として知られている。気候温暖化により、シベリアの永久凍土の上層部が融解し、土壌中の微生物の活動量が指数関数的に増加している。これらの微生物は、凍土内にある有機物を消化・分解することでメタンガスを大量に生産している。

このメタンガスは地下で巨大な気泡の形で蓄積されるが、その真上で凍土が溶け始めるとたちまち噴出される。こうして起こった爆発により、巨大な漏斗型のようなクレーターが形成される。

研究者らは永久凍土が融解する危険性について警告している。永久凍土下のメタンガス濃度は大気中の1000倍近くにも達する。この閉じ込められたメタンガスが爆発すると、その場に居合わせた人々に危険が及ぶだけでなく、大量のガスが大気中に放出されることで地球の温室効果を高めてしまうことにつながる。

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