14:11 2020年10月30日
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金星の大気中にホスフィンが含まれていることが、国際研究グループによって先週報告された。この物質の存在は、金星での生命の存在を示している可能性がある。今回の発見により、金星の謎解明への関心が呼び起こされることとなった。金星の研究は主にソ連の研究者らによって進められたことから、金星は長い間「ロシアの惑星」と呼ばれていた。困難を極めたソ連の研究者らによる金星研究の歴史についてお読みください。

金星でのホスフィンの存在発見については、こちらをお読みください。


金星に生命体はいるのか?

長い間、地球外生命体の存在が最も期待される惑星と考えられていたのは、月や火星ではなく、正に金星だった。

© Sputnik / RIA Novosti
「ロシアの惑星」

しかし、ソ連の宇宙探査機による金星研究が始まると、金星の表面に生息する生命体はいないことが明らかになった。金星表面の厳しい環境では、探査機の作動は、数十分単位で制限されている。大気のほとんどが二酸化炭素で構成されており、硫酸を含んだ厚い雲が金星全体を覆っている。さらに金星の表面気圧は地球の90倍で、表面気温は500度に達する。


金星研究の第一歩

世界初のソ連製人工衛星(スプートニク1号)の打ち上げ成功に触発されたソ連の研究者らは、それから4年以内で最初の金星探査機を開発した。

ソ連が開発した初の金星探査機は、「ベネラ1号」。同型機の打ち上げは、1961年2月4日に行われたものの失敗に終わった。後日、シベリアの川で水遊びをしていた少年がその探査機の破片を発見することになる。

その1週間後に同型機の2回目の打ち上げが実施された。このベネラ1号を搭載した打ち上げロケットは、想定されていた飛行距離の3分の1も飛ばなかった。そしてそのわずか2ヶ月後、世界初のソ連の宇宙飛行士のユーリイ・ガガーリンが有人宇宙飛行を行った。

1962年8月には米国の金星探査機「マリナー2号」が打ち上げられ、金星から3万4000キロの地点を通過(フライバイ)した。この時、同探査機が金星表面温度を測定したが、その温度は研究者らの予想に反して非常に高いものだった。


金星研究に寄せられた長年の期待

人類による世界初の月面着陸(1969年7月)より数年前の1966年3月1日、ソ連の金星探査機「ベネラ3号」が金星の地表に衝突した。これは他の惑星の地表に到達した初の宇宙機となった。

研究者らは長年、金星には大きな海があり、珍しい植物が密生していて数億年前の地球とよく似た環境だと考えていた。しかし、金星探査機から得られるデータより研究者らはその考えを撤回するだけにとどまらず、探査機の着陸方法をはじめとする多くの課題や謎を抱くようになった。

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ベネラ4号

そして研究者らの次の課題は、金星探査機のソフトランディングについてだった。このミッションを課せられたのが「ベネラ4号」。探査機の設計者が直面した最大の問題は、金星表面の圧力に関するデータがないことだった。

1967年6月に打ち上げられた「ベネラ4号」は同年10月18日、金星軌道に到達し降下カプセルが金星の大気圏に突入した。その後測定機器の電源が入り、観測を始めた。降下カプセルは金星の高度2万8000メートル付近で気圧で押しつぶされるまで降下を続けた。

ベネラ4号は金星の大気に関する重要なデータを送信することに成功した。搭載されたガス分析計による測定の結果、金星の大気の90%は二酸化炭素であり、酸素と水蒸気がわずかに含まれていることが判明。このことは、金星には生命体が存在しないという説を裏付けることとなった。

ソ連が金星への探査機着陸を目指したのに対し、米国の金星探査機の設計技師らは着陸よりも金星から離れた位置から金星の大気を観測するアプローチを好んでいた。

ソ連はその後、「ベネラ5号」、「ベネラ6号」、「ベネラ7号(金星に初めて着陸した探査機)」、「ベネラ15号」、「ベネラ16号」を打ち上げ、これらは金星に関する重要なデータを地球に少しずつ送信するミッションを担っていた。

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金星

1984年に打ち上げられた宇宙探査機「ベガ1号」と「ベガ2号」は、金星を観測した最後のソ連の探査機となった。


金星は「ロシアの惑星」

ソ連はおよそ20年の間に約20機の金星探査機の打ち上げに成功している。ソ連による金星研究は、金星が密かに「ロシアの惑星」と呼ばれていたほどその成果が重要な意味を持っていた。

その後、金星に関する研究活動は行われなくなった。2010年には日本の金星探査機「あかつき」が打ち上げられたが、メインエンジンの故障により金星の軌道への投入に失敗するという困難な運命を辿ることとなった。その5年後に「あかつき」は再び打ち上げられ、金星周回軌道への投入に成功した。「あかつき」は2016年4月、金星をおおう雲の画像とその動向のデータを初めて送信した。

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ソビエト連邦, 宇宙, 金星
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