アレシボ天文台の巨大な設備は1960年代半ばに今の形に吊り上げられた。当時、この天文台が半世紀以上も積極的に機能、活用されうると考えた人はほとんどいなかったため、ワイヤー固定のための特殊なスリープが作られた際に見積もられた重量への構造の耐用年数はわずか50年。それでも8月に始まり、11月の今に至るまで徐々に進行する破壊プロセスを放置しておくわけにはいかない。エンジニアらは立ち上がった。
望遠鏡は救わねばならない。望遠鏡は長年の使用に耐えてきたものではあるが、最新の電波天文学には絶対に欠かせない存在だ。それは主鏡が球形であるために鏡の上部の空だけでなく、40度の角度まで天空の動きをキャッチすることができるからだ。設備が巨大であることも技術的な修復作業を困難にしている。アレシボの主鏡は直径300メートル以上もあり、カルスト地形のくぼ地を利用して建てられている。この150メートル上に複雑なケーブルシステムを使って900トンの重さのフラットフォームが空中に浮かんでおり、ここに2つの副鏡が吊るされている。
150メートルの高さから重さ900トンの設備の落下を食い止めるべく、専門家らは早急に策を練らねばならない。この課題は容易くはなく、宇宙研究の歴史の中でもこうした事態が起きたことは未だかつてなかった。
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