06:23 2021年06月25日
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中国南部とその周辺地域における環境変化のメカニズムについて、英国、ドイツ、米国の研究者らが初めて明らかにした。これらの地域は、新型コロナウイルスが発生し、そのウイルスの主な保存場所となるコウモリの種類を劇的に増加させた可能性がある。

この研究結果は、学術誌「Science of the Total Environment」に掲載されている。

地球規模の気候変動により、世界の多くの地域で植生の構成や生物の自然生息地が変化している。

中国南部とその隣接地域のミャンマー、ラオスで行われた大規模な生態学的調査によると、過去100年の間でこれらの地域の植生の種類が大きく変化していることが明らかになった。これによって、コウモリの生息に好ましい環境が整ったという。

コウモリの個体群に発生する新しいウイルスの数は、その地域で生息するコウモリの種類の数に直接左右される。研究者らは、20世紀初めから中国雲南省だけで新種のコウモリが40種出現したと推定しており、これらのコウモリは100種類のコロナウイルスを潜在的に運ぶことになる。研究者らによるとこの地域では、温暖化に伴い熱帯林が急速に成長していることにより、新種の人獣共通感染症の病原体が出現する「世界的なホットスポット」になっている。

英ケンブリッジ大学獣医学部のロバート・ベイヤー博士は、「気候変化により、生物の生息地が変化し、多くの種がウイルスを持って新しい生息地に移動してきた。新しい地域のシステムで動物とウイルスの相互作用が起き、新たな有害なウイルスが多数発生している」と説明している。

研究者らは、世界に生息するコウモリの個体群には、現在約3000種類のコロナウイルスが存在すると推定している。コウモリ各種は平均して2.7個のコロナウイルスを運ぶ。しかし、特定の地域でコウモリの種が増えると人間にとって危険な病原体が発生する可能性が高くなる。

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新型コロナウイルス, 中国
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