18:20 2021年05月12日
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イスラエル工科大学の研究者らが、研究室でブラックホールを人工的に作り出したところ、ブラックホール内外で音波のペアが見つかったことからホーキング放射の存在が証明されることになった。この研究論文は学術誌「ネイチャー・フィジクス」に掲載されている。またこの研究の概要が、科学系ニュースサイト「Phys.org」で伝えられている。

研究者らが今回制作した「ブラックホール」はルビジウム原子800個でできており、長さは約0.1ミリ。ブラックホールの周囲には「事象の地平面」と呼ばれる境界がある。そしてブラックホールは重力が非常に強いため、光ですらも事象の地平面を通過するとブラックホールに引き込まれ、脱出することはできない。

ルビジウム原子は音速よりも早く動くことから、音波はブラックホールに引き込まれてしまい、事象の地平面の外に脱出することはできない。しかし、事象の地平面の外側では気体がゆっくり流れていることから、音波は自由に動くことができる。

理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士は以前、ブラックホールの内側からはどんな物質も脱出することはできないが、ブラックホールが熱を放射しているとの説を提唱した。これをホーキング放射という。通常のブラックホールでは、仮想粒子のペアが事象の地平線付近で発生する。これが粒子と反粒子のペアに変化するとホーキング放射が現れる。そうすると、一方の粒子は事象の地平線に向かって落ち、もう一方は外へ放出される。

研究者らは今回、人工ブラックホールの中に入っていく音波と出て行く音波のペアを探しだした。そして124日間で9万7000回の実験を繰り返すことで、この音波のペアの相関関係を確認し、ホーキング放射の証明に成功した。

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