15:50 2021年09月25日
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2014年にインドネシア、スラウェシ島の洞窟で見つかった古代の岩壁画を研究している豪州とインドネシアの考古学者らは、地球温暖化のため、これらの岩壁画が少しずつ劣化しているとの報告を行った。論文は学術雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。

7年前に見つかったスラウェシ島の岩壁画は4万年から4万5,000年前に描かれたもので、アジアのみならず世界最古のものとされている。壁画は、発見されたときは良い状態にあったが、ここ数年、洞窟の壁の表層がはがれ落ちるようになり、壁画の劣化が加速化しているという。研究者たちは、損傷を受けた部分を詳細に調査し、劣化は、壁画表面に付着した微視的な塩の粒子が原因だとの結論を導き出した。

塩は、乾季に、隣接する稲田や沼地から出る蒸発水とともに洞窟に入りこみ、その塩の粒子が少しずつ、古代壁画の表面を昔から覆っていた鉱物の層の隙間から入り込んで中に溜まっていき、壁画を水との接触から保護してきた。しかし、地球の温暖化により、雨季の降水量が増加し、乾季の期間が長期化している結果、壁画を保護している鉱物内の塩の粒子の量が急激に増加し、文字通り、この表面の保護層が壁画の顔料のついた表層ごとはがれ落ちるようになっていると研究者は指摘している。

研究者らは、このまま1年の平均気温が上昇し続ければ、今後数年のうちにも、壁画の劣化はより深刻なものになると警鐘を鳴らし、古代壁画のさらなる劣化を防ぐため、世界の学術界の結束を呼びかけている。

スラウェシ島の洞窟にある世界最古の壁画の芸術的、歴史的価値については、「スプートニク」の過去の記事からお読みいただけます。

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