10:54 2021年10月16日
東京2020オリンピック
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オリンピックでの活躍と同時に、新型コロナウイルスの感染者数も過去最高を更新している。日本ではパンデミックが始まって以来、感染者の総数が100万人を超えた。こうした統計を背景に内閣支持率は過去最低の水準に落ち込んだ。政府に対する主な不満は、オリンピック開催を含め、有効なコロナ対策がとられていないというものだ。国内でのさらなる感染拡大を抑え、世論を落ち着かせるために、政権がパラリンピックの中止を決定する可能性はあるのだろうか?

ロシア科学アカデミー世界経済国際政治研究所の日本経済政治グループを率いるヴィタリー・シュヴィトコ氏は、このような展開になる可能性は低いと考える。「感染流行期でもパラリンピックは感染拡大になりにくい。オリンピックほど大規模ではなく、人数も少ないからです。出場選手も、それに付き添う関係者もオリンピックよりはるかに少ない。それに、オリンピックに対する日本人の受け止め方も比較的落ち着いたものでした。一般市民の安全性という点では、今年のオリンピックはかなり局所的なイベントであり、選手たちの移動も厳しく制限されていました。」 

シュヴィトコ氏は、日本人がパンデミックを比較的落ち着いて受け止めているのは、感染拡大の論理への理解が高まったからである可能性が高いと言う。「日本の人々はもはや、感染の波とオリンピックを一直線には結びつけていません。というのも、たとえオリンピックを中止していたとしても、いずれにせよ新しい感染の波は起こっていたであろうことが明白になっているからです。これは、多くの変異株が出現している今の異常なパンデミック拡大の論理を考えると、不可避なことなのです。オリンピック以前に国内にウイルスが全く存在せず、オリンピックによって日本に持ち込まれたというのであれば話は別ですが、今のコロナウイルスに関しては、そうではありません。」   

五輪を研究する奈良女子大の石坂友司准教授(スポーツ社会学)も、パラリンピック中止の決定は障害者に対する差別となりかねないため、中止の可能性は低いと考える。

石坂氏:「パラリンピックは今、開催を中止すべきではないかという意見が出ているのは事実です。ただ、オリンピックを開催してパラリンピックを中止するということになると障害者の人たちに対して差別をしているのではないかという捉え方をされてしまうので、オリンピックに強く反対を叫んでいた人もパラリンピックにはそれほど大きな声で中止は叫べないのではないかと思います。」

それでも、パラリンピックの開催については、詳細な議論を要すると石坂准教授は言う。

石坂氏:「オリンピック自体によって、感染拡大をしたという証拠は客観的、科学的なものは出ておらず、むしろ人流は減らしたというような数字も出てはいるので、そういう意味では、パラリンピックをやっても、みんながテレビで見れば感染は広がらないはずだとは思います。ただ一方で、感染が急拡大していて、こういう状況下でそういうイベントをやるべきなのかという議論は当然あるので、障害者の差別とかそういうこととは別に、リスク管理という意味でパラリンピックを止めるべきだという議論はこの一週間ぐらいの間に高まってくるかもしれません。」

また、国内の感染状況だけでなく、極めて苛酷な暑さもパラリンピックの開催を脅かしている。これについて石坂氏は、状況に応じていくつかの可能性を検討する必要があると語る。

石坂氏:「もう一つ重要なのは選手です。炎天下でプレーをしなければいけない、特に外種目の選手たち。それから、感染のリスクがあると危ないと言われている人たちもいるので、そういう人たちの参加をどの程度コントロールするのか、今回自粛して参加をやめるというケースがあってもいいと思いますし、もし開催できないものがあれば別の機会に代替の大会を開くということも検討していいのではないかなと思います。」

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