13:53 2021年09月18日
東京2020オリンピック
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スポーツコメンテーターの張本勲氏(81)が、TBSテレビ系の情報番組「サンデーモーニング」の生放送で、女子ボクシングと金メダルに輝いた女子選手を蔑視する発言を行った。なぜこのような発言がオリンピックの男女平等を妨げることになるのか、またソーシャルネットワーク上のコメントで現状を変えることはできるのか、「スプートニク」が取材した。

オリンピック2020は8月8日に閉幕したが、その結果をめぐる論争はまだ終わっていない。今回のオリンピック大会で謳われたのはすべてにおける平等であったが、その一部は達成された。また東京五輪大会を法的にバランスの取れたものとして保障するため、規則にもやや訂正が加えられた。

問題となった張本氏の発言とは?

しかし、書類の上で平等を保障することと、人々の考えを変えることは、同じことではない。オリンピックと日本人選手の活躍を総括する番組の中で、野球評論家の張本勲氏は女子スポーツに対する自身の率直な考えを口にした。番組では、女子フェザー級で入江聖奈選手が金メダルを獲得したことが取り上げられ、この際、張本氏が「女性でも殴り合い、好きな人がいるんだね。見ててどうするのかな。嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合ってね。こんな競技、好きな人がいるんだ。それにしても金だから、あっぱれあげてください」と発言したのである。入江選手は8月3日に女子フェザー級決勝でフィリピンのネストイ・ペテシオ(29)にポイント勝ちし、女子ボクシング日本初の金メダルに輝いた。

日本ボクシング連盟は「多様性を否定するような発言」に抗議

日本ボクシング連盟の内田定信会長は、11日にオンライン形式で開いた東京五輪報告会で、番組での出演者の発言に対し抗議文を送ったことを明らかにした。

抗議文では、「ボクシングは、オリンピック競技の中でも歴史が長く、技術・戦略・戦術を駆使する競技で、殴り合いではありません」と述べられている。

また2012年のロンドン五輪で初めて正式にオリンピック種目となった女子ボクシングについては、「ヘッドガードを装着して試合を行うなど、男子競技以上に安全面に配慮しながら実施されています」と説明した。

また会長は、今回メダルを獲得した選手たちは、「競技の強さのみならず、謙虚な立ち居振る舞いや、他人への配慮ができる素晴らしい人」であるとし、「男性だから、女性だから、ではなく、ボクシング競技を通じて『人間力』が養われた結果」を手にしたと述べた。

言動不一致?

東京五輪では、「多様性と調和」が主要なスローガンとして掲げられ、「あらゆる面での違いを肯定し、自然に受け入れ、互いに認め合うことで社会は進歩する」と謳われた。しかし、どうやら、この言葉に込められた意味を誰もが理解しているわけではないようだ。

政治学者の三浦瑠璃さんも同様の見解を示し、自らのツイッターのアカウントで次のようにつぶやいている。「サンモニに関してなんらかのコメントを求められるたび、わたしは、あれは保守番組ですと申し上げています。フジの裏番組とは違う意味でね。友が出ていたので、そういう意味での愛着はあったけれども。でもそれも含めてだ。張本氏は悪気のない無邪気なひとだというなら、そりゃ森元総理だってそうだろう。惻隠の情は大切ですよ。年齢が行くと、人間変わることは難しい。ただ、わたしが共演者だったらもっとはやく物申していましたけどもね。社会でご老人に敬意を払うのとは違う、一段難しいタスクがテレビにはあるのですよ。」

​この話題に対するコメントの数は、この記事を執筆している時点で9,000件を超えており、張本氏に対する批判の声が高まっている。張本氏の不用意な発言は、ソフトボール選手の金メダルを噛んだ名古屋市の河村たかし市長の振る舞いと比較されている。

「「棒で球を引っぱたいて走るだけの競技が好きな人がいるんだ」と野球のことを嘲られたら、この爺はどんな気持ちがするのか。女子ボクシングに対する「無関心」「軽蔑」がこの人のコメントによくあらわれている。」

「ボクシングはスポーツだし、殴り合うとか喧嘩みたいな表現はどうかと思う。男性は良くて女性は変みたいな言い方と金メダルだからあっぱれって、選手に対して失礼だと思う。あまりに暴言ばかりでコメンテーターとして不愉快。」

「少なくとも、スポーツを評論する立場の人間としては、多様性、個性、文化を認めないのはいかがかものかと。」

「先日の森さんもそうですが、年齢がいった人に女性蔑視発言が出るのは、本人たちの生きてきた時代的に思考回路が出来上がっているから。大変かもしれないが、公に出す前に教育するしかないと思う。「時代が変わったので、女性を古いステレオタイプで語るコメントはやめてください。例えばこういうのはアウトです。でないともうテレビ局的に出演はお願いできません」と。事前に教育、大切です。」

この番組が放送された数日後に、テレビ局も張本氏本人も謝罪したが、状況は複雑なままとなっている。インターネットユーザーたちは、世間からの大きな批判がなければ、張本氏は自分の発言に問題があったことを認識していなかったのではないかという意見が後を絶たない。しかし、何れにせよ、こうした意見の交換が、こうした問題に人々の注意を向けさせ、すべての世代を啓蒙していくことになるのは間違いない。

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