15:45 2020年10月28日
米国
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米国が5月、オープンスカイズ(領空解放)条約脱退を決定したことで、世界は1962年のキューバ危機とほぼ同じくらい危険な状況に陥っている。米誌ナショナル・インタレストが報じた。

同誌の著者は、今回のオープンスカイズ条約脱退は、数十年に渡って形成されてきた米ソ間の軍備コントロール体制の崩壊プロセスの延長線にあると指摘している。トランプ大統領は一方的に中距離核戦力全廃条約から脱退し、2021年2月に無効となる新戦略兵器削減条約(新START)をさらに5年延長しようというプーチン大統領からの提案を拒否し、このコントロール体制の崩壊プロセスを加速しているからだ。

トランプ政権は1992年以降初めての核実験を再開し、ロシア、中国に圧力を講じて戦略核兵器についての新たな3者取引を締結せざるを得なくなるよう追い込むことで状況をさらに深刻化させている。記事の筆者は、こうしたアプローチは包括的核実験禁止条約の崩壊を呼び、新たな軍拡競争を誘発するものと断言している。

権威あるドイツ紙「ディ・ヴェルト」は、米国はオープンスカイズ条約からの離脱によって不利益を被るだろうと指摘。しかし、これによってロシアが得るものはほとんどないだろう。

ディ・ヴェルト紙が挙げる米国にとっての2つの大きなマイナス点は、米軍がロシア上空を飛行する可能性を失うこと、人工衛星がキャッチしたデータを公開し、外交チャンネルを通して討議する機会を失うこと。

オープンスカイズ条約は1992年に調印され、「冷戦」後の欧州における信頼醸成措置の一つとなった。同条約は2002年から有効となり、条約参加国は互いの軍や活動に関する情報を公然と収集することができる。オープンスカイズ条約の締結国は現在、34か国を数える。

ドナルド・トランプ米大統領は5月21日、米国はオープンスカイズ条約から離脱し、ロシアが「義務を果たす」までは同条約の外にとどまると発表した。それと同時にトランプ大統領は、新協定の制定の可能性を排除しなかった。ロシアはこれまで同条約に違反したという米国からの非難を繰り返し否定してきた。ロシア外務省は5月29日、ロシア政府は米国とのオープンスカイズ条約を含む交渉は相互ベースでのみ行うとし、米政府からの最後通告は受け入れられないと発表した。

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露米関係, ロシア, 米国
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