ドイツから帰国したロシアの野党指導者、モスクワの空港で拘束

© Sputnik / Alexey Kudenko / メディアバンクへ移行野党指導者ナワリヌイ氏
野党指導者ナワリヌイ氏 - Sputnik 日本
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反汚職基金の主宰者で、ロシアの野党指導者として知られるアレクセイ・ナワリヌイ氏がドイツから帰国し、モスクワのシェレメチェボ国際空港で拘束された。ロシア連邦刑執行庁モスクワ支局の発表で明らかになった。ナワリヌイ氏は2020年8月に国内線で移動中に体調を崩し、ドイツの病院に転送されていた。同氏に化学兵器が使用されたとして、欧州連合(EU)はロシア政府高官らに対し制裁を発動している。

ナワリヌイ氏は現地時間で17日夜、ポベダ航空の便で妻のユリアさんや弁護士と共に治療先のドイツから帰国した。

​シェレメチェボ国際空港のDターミナルに到着した後、ナワリヌイ氏はパスポート・コントロールに駆けつけた警官らに拘束された。ユリアさんは夫の釈放を待ったものの、進展が見られなかったことから荷物を受け取り、空港を離れた。

空港の到着ターミナルにはナワリヌイ氏の支持者らが集まっており、一部は警察に拘束された模様。

​先にナワリヌイ氏はロシアへ帰国するとのメッセージをYouTubeチャンネル上で発表していた。これに対し、ロシア連邦刑執行庁は同氏の帰国後、速やかに拘束するとしていた。

ナワリヌイ氏はこれまで2度の横領容疑で執行猶予付きの有罪判決を受けていた。加えて12月末には新たな横領容疑が発覚したことにより、ロシア連邦検察委員会はナワリヌイ氏を再び起訴していた。

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また、猶予期間中に犯した一連の違反行為によりナワリヌイ氏は2020年12月29日以降から当局の捜査対象となっていた。裁判所がその後の決定を下すまでナワリヌイ氏は拘束される見通し。

これまで裁判所側はナワリヌイ氏に出頭を命じていたものの、同氏が命令に従わなかったことから執行猶予付きの有罪判決を実刑判決に切り替えている。これに対し、ナワリヌイ氏は中毒事件によりドイツのシャリテ大学病院で治療とリハビリを受けていたことから出頭できないと説明していたが、病院での治療などは酌量の要因とはされていない。

ナワリヌイ氏の中毒
ナワリヌイ氏は8月20日、トムスク(ロシア・シベリア西部)から飛行機での移動中に体調を崩し、同国中南部オムスク市の病院に入院した。検査の結果、ナワリヌイ氏の血液と尿からは毒物は検出されなかった。ナワリヌイ氏はその後、ドイツの病院に移送された。ドイツ政府は軍医の報告を引用し、ナワリヌイ氏には化学戦で用いる「ノビチョク」と同じグループの毒物が使用されたと発表した。

事件を受けて欧州連合(EU)は10月、ナワリヌイ氏の中毒事件をめぐりロシア高官などに制裁を発動した。制裁対象となったのは、ロシア大統領府のセルゲイ・キリエンコ第1副長官やロシア連邦保安庁のアレクサンドル・ボルトニコフ長官、ソ連時代に神経剤「ノビチョク」を開発した有機化学技術研究所など、ロシアの7個人・団体

 なお、ロシア政府は事件への関与を否定している。

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