ウォールストリートジャーナル紙の消息筋によると、イランは米国が制裁解除を保証した場合であれば交渉に応じる姿勢を見せていたという。ただし、イラン側の反応は「数ヶ月以内に直接交渉が始まるという希望全てを無にするものではない」という。イランによる交渉拒否は、将来の交渉に向けたテコ入れである可能性が高いとEUの外交官らは見ている。
先に米国はEUが用意した国際的仲裁国とイランの6カ国協議に臨む用意があるとしていた。
イラン核合意(包括的共同行動計画)は2015年、イランと国連安全保障理常任理事国5か国(露米仏英中国)およびドイツの間で調印された。本合意によりイランは国連の制裁、欧米の一方的な制限措置が解除される代わりに核開発の制限を受けた。イランには今後15年間、濃縮度3.67%を超えるウランを製造してはならず、同濃度以下のウランの貯蔵は300キロ以下に制限し、重水炉はこれ以上建設してはならず、重水のこれ以上の保管も禁止され、核爆弾の開発は行わないこと義務付けられた。調印後3年が経過した2018年、米国は合意からの脱退を宣言し、イランに対する経済制裁を発動。これが引き金となり、イランは核開発の再開に踏み切った。
2020年末、バイデン氏はイランとの核取引に米国が復帰する構えを示していた。