19:39 2021年04月11日
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米国国家安全保障会議の人工知能(AI)に関する委員会は先に提出したレポートの中で、米国はAI技術分野で中国に対抗できる状態にないとことが強調された。

ワシントンポスト紙評論員のデーヴィッド・イグナシス氏は、委員会の専門家らが「盲目的な自由な市場信仰」をもう捨て、最新技術分野では政府と民間セクターのより緊密な協力の樹立の時が到来という感触を持っていると書いている。

イグナシス評論員はこのレポートを評し、米国が経済戦略で抜本的変革を用意している証拠と書いている。つまり米政権は広範なディスカッションを排し、中国の技術とのライバル競争に向けた産業の準備を開始している。米国経済発展に向けた新たなアプローチについてイグナシス氏は、議会では民主党、共和党の別を問わず賛同が得られていると強調している。イグナシス氏は一例として、AI委員会の進言する19項目はすでに1月の段階で内密に国防予算に加えられており、半導体生産の新工場を国内に建設するための数千億円規模の支出も念頭に入れられていたことを指摘している。

AI委員会のメンバーにはオラクル、マイクロソフト、アマゾン、 Google Cloud AIといった大企業の代表らが入っている。これらの企業は、中国がAIを軍事、民間の両セクターで応用することに成功している一方で米国がいとも簡単にこれになんの反応もできないままに終わることを懸念している。このため委員会は、2026年までに米政府のAI研究開発財政支援プログラムを320億ドル(3兆4900億円)にまで拡大するようアドバイスしている。

イグナシス氏は米国では過去にも最先端技術の開発に国家が支援した例はあったとして、その最も目覚ましい例が核兵器開発の「マンハッタン計画」だったと書いている。公的資金は宇宙プログラム、インターネットの開発にも投じられた。イグナシス氏は、バイデン政権がおおまかにはAI委員会の進言に同意しているとふんでいる。これを物語るのが、委員会のメンバーのジェイソン・マテニー氏の米大統領府の科学技術政策部の副部長への大抜擢だろう。

バイデン・チームは委員会の提案する「AI最先端技術の開発導入を促す目的で志を同じくする諸国をまとめる連合」の創設にも同意している。この方向性での作業はおそらく、「G7」や二国関係のような従来型の組織を通じて進められていくだろうと、イグナシス氏は書いている。イグナシス氏は、国と民間事業体が一心同体となり、要となる技術分野で米国が主導的ポジションを保持するには、世界の隅々から才能ある人材を惹きつけることが肝心であり、そのためには米国経済をオープンな状態を保持し、主導的民間のIT企業に独占化を許さないことが重要と強調している。

中国のAIが軍事セクターのみならず、食糧安全保障を維持するために民間でも広く導入されている実態について、スプートニクは以前紹介している。

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