2014.11.23 , 13:37

北朝鮮、ロシアに土地をねだる

北朝鮮、ロシアに土地をねだる

北朝鮮高官が7日間の日程でロシアを訪問している。朝鮮労働党政治局常任委員兼書記のツォイ・リョンヘ氏だ。氏はプーチン大統領に金正恩第一書記の書簡を渡した。貿易交渉や半島情勢協議など実務日程は今後も目白押しだ。

朝鮮半島の今後は非核化にかかっているといっても過言ではない。ロシアは北朝鮮を説得し、2008年以降停止している北朝鮮非核化をめぐる6者協議を再開させることが出来るだろうか。極東研究所朝鮮研究室のコンスタンチン・アスモロフ氏は語る。

「ロシアは6者協議の再開を望んでいる。理由は、第一に、交渉は無いよりはあった方がいい。第二に、ロシアは核保有国として核不拡散を望み、北朝鮮の隣国として国境の安定を望んでいる。ロシアは何も北朝鮮に核の全面的放棄を望むのではない。現下の情勢でそれが不可能であることくらいはロシアもよく承知している。リビアやイラクの轍を踏むことになろうもの。それでも核開発に抑制をきかせることは、可能だし、必要だ。6者協議はあらゆる問題を話し合う場としてあり得るものなのだ。北東アジア版ASEANとして」

かくして21日、ロシアのラヴロフ外相との会談でツォイ・リョンヘ氏は、「かつて達成された合意をもとに6者協議に復帰する」との意思を表明した。ラヴロフ外相は次のように語った。

「平壌は、何らの前提条件なしに、かつ、2005年の6者協議で採択された共同宣言にもとづき、6者協議に復帰する意向だ。我々はこれを熱烈に支持し、推進し、米韓日など他の参加国と共同で、6者協議復活に漕ぎ着けたい」

北朝鮮高官は核問題と並行してロシアとの経済関係の発展に向けた協議を活発に行っている。特に農業部門。北朝鮮はロシア極東の農耕地1万~1万5000ヘクタールを賃借りする計画だ。実は、今回の訪問も、多くの日数をハバロフスクおよびウラジオストクで過ごすものとなっている。専門家アスモロフ氏は、北朝鮮が農耕地に非常に窮迫している内幕を明かす。

「北朝鮮は国土の89%が山だ。そこに耕作地はない。赤土は南部にあるばかり。つまり北朝鮮では農業が非常に困難で、大量のエネルギー消費が要されるのだ。食糧危機はちょうどこのエネルギー危機に端を発する。言ってみればそのことがまた北朝鮮をしてロシアに期待の眼差しを向けさせるのだ。ロシア極東では農業部門の労働力が不足している。しかし、ロシア側も、プロジェクトが相互に利益をもたらすようにと、一定の条件を提示した。ロシアの北朝鮮農民との関係は、中国農民とのそれと異なる。極東に生きるロシア人には中国人への恐怖心がある。そこに根拠があるかどうかは別として。その恐怖心が、北朝鮮に対しては無い。恐怖心というのは、ほかでもない、ロシア極東に中国人が伸張する、という仮想の脅威のことである。それは北朝鮮からはあり得ないことだ」

極東農業に北朝鮮労働者を、というロシア中央政府のアイデアは、地元の理解と支持を得ている。ザバイカリエ地方議会議員ユーリイ・コン氏はこう語る。

「土地を手放す、という話ではない。クリルを寄越せと要求してくる日本とちがい、朝鮮はただ、土地の区画を賃借りし、そこに住みかつ働くことを求めているに過ぎない」

ロシアと北朝鮮は国際鉄道視線(ロシアのハサンと北朝鮮のラジン港を結ぶ)を敷設中である。ロシアと南北朝鮮を鉄道で結ぶプロジェクトだ。実現すれば名実ともに三ヶ国は結ばれ、もって地域の安全が強化される。

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