2014.07.19 , 08:58

安倍氏の自立を許さないオバマ

安倍氏の自立を許さないオバマ

  米国は日本の独立外交に不満感を表している。これまで日本は北朝鮮に対し、北朝鮮工作員による日本人拉致問題で譲歩を行うのであれば、その見返りとして制裁措置の一部を取り下げる構えを見せていた。ところが今、共同通信の報道によれば、米国がこれにGOサインを出さないがために、日本のこの政策実現は大きな困難に直面する危険性が出てきた。

米国は日本に対し、安倍首相が北朝鮮を訪問した場合、米韓日の一枚岩に決定的にヒビが入ると警告を発した。ジョン・ケリー米国務長官は岸田外相との電話会談で日本は「一国だけで先んじることがあってはならない」との声明を表している。ロシア人日本専門家のヴィクトル・パヴレテンコ氏は、日本の第1の戦略的パートナーである米国は、日本がこの地域において独自のアプローチを行おうとすれば、それがいかなるものでもその試みを封じようとするだろうとの見方を示して、次のように語っている。

 

「日本はずっと前から、その経済力を背景に政治の独自性の確立を願ってきた。ところが米国は日本との同盟関係においては常に、そのパートナーの国益ではなく、自国の国益に重きを置いてきた。

だが、日本にとっては拉致日本人の問題は絶対に譲れない。米国はいつだって、どこにいようと自国民のために闘ってきており、日本にしてみれば、なぜ同じことを自分がしてはならないのかは、理解できない。

これより以前、六カ国会議で日本はこの問題を取り上げていたが、その時点では、米国は日本に対して問題提起をやめろという強硬な態度は示していなかった。

 北朝鮮とは外交関係が樹立されていないにもかかわらず、日本側は独自のチャンネルを持っており、安倍政権が樹立するとこのプロセスは再び活発化してきたのだ。拉致者問題がなんらかのシリアスな発展し、安倍首相のピョンヤン訪問が必要とされる事態になるかもしれない。またその結果として日本の対北朝鮮制裁が一部解除されることになれば、米国は握っていたイニシアチブが手から離れていくような、忌々しさを味合うことになるだろう。

事態のコンタクトは拉致者の運命よりもずっと広範に及ぶ。何か異例なことが起きてしまっている。日本外交は突如として昏睡状態から目覚めた。米国が最も恐れているのは、日本が米国を差し置いて、北朝鮮と外交樹立するのではないかということではないだろうか。日本にとってはこれは、不穏な隣人との関係を改善するだけでなく、地域における自国の地位を本格的に引き上げるためにも役に立つ。またもし、安倍氏がこの問題において米国の方を振り返ることなく、一貫性と決断力を発揮したならば、これは安倍氏という人物の達成した勝利になるだろう。」

 

これより前、日本政府は北朝鮮関係においては、実務に対して実務で回答していくことを原則とすると明らかにしていた。だが米国は、こうした歩みについては日本は前もって米韓と綿密な討議を行い、事が決まってから通知することのないよう要求している。ホワイトハウスは、安倍政権が米国との戦略的同盟関係の強化路線を打ち出しているにもかかわらず、日本は地域の状況について独自の解釈を行いうることに苛立ちを見せている。日本調査センターのヴァレリー・キスタノフ所長は、それどころか、日本は米国と直接的な合意の取れていない政策を実現し始めていると指摘し、次のように語っている。

 

「日本のこうした意図が示すものは、日本は徐々に米国の庇護から抜け出しつつあることであり、日本は米国の気にそぐわないということだ。安倍政権は、この先日本は国益に叶う独自の歩みを行っていくことを行動で示している。

日本人オブザーバーの大半は、日本が北朝鮮に接近するイニシアチブをとったのは、現在の安倍政権の政策を横目で睨む中国と韓国が反日を基盤に接近したことへの安倍氏の回答として捉えている。中国と韓国は安倍氏が防衛政策の本格的な変革路線を宣言したあと、共通言語を見出した。米国の軍部はこの変化を、中国が国防費を拡大しているのに対、北朝鮮はそのカットを迫られるのであれば、奨励している。

安倍氏のほうは中国にも韓国にも、韓国と敵対関係にある国だけでなく、中国の庇護下にある国に対しても日本は影響力を行使することができるところを見せつけたいと思っている。米国は面白くない。なぜなら以前はまさに米国が北朝鮮との交渉の旗頭であり、対北朝鮮制裁では全てを単独で決めてきたからだ。」

 

 日本政府は、中国の脅威を前にしては日米同盟の強化に邁進しながらも、一方で、無条件に米国を敬うということはすでにない。安倍氏には米国のマリオネットの役割は気に入らないのだ。日本は「ニクソン・ショック」をよく記憶している。1970年代、米国は日本を差し置いて突如中国と和解したではないか。「アベ・ショック」が起きるかどうかは、この先を見てみないとわからないが、日本の独自外交が始まっていることは、専門家らの目には明らかだ。

 

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