オーストラリア政府 ベルギーの植民地王に敬意を表した山脈名を変更 米国の抗議行動を背景に

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ベルギー王レオポルド2世に敬意を表して名付けられたオーストラリア北西部の山脈が改名され、現地住民の言葉で新たに名付けられた。西オーストラリア州の先住民族担当ベン・ワイアット大臣が、今後、山脈の名称は「ウナアミン・ミリウンディ」となると発表した。こうした措置は、米国や他の諸国でのアフリカ系米国人の権利に対する抗議行動を背景に行われたもの。ベルギー王はその植民地政策で悪名が高い。

同大臣はツイッターの発表で、「1879年、探検家のアレクサンダー・フォレストは、この素晴らしいキンバリー山脈を目にし、歓喜からその頂をベルギー王レオポルド2世に敬意を表して名付けた。今日、我々は公式にこれら山脈を『ウナアミン・ミリウンディ』と改名する。この名は、ベルギー王が生まれる遥か以前に名付けられたものである」とコメントした。

​地元テレビ局ABCは、ベルギー王に敬意を表した山脈名はオーストラリアの政治家で探検家のアレクサンダー・フォレストが名付けたもので、同氏は当時の欧州の統治者に敬意を表していくつかの山脈に名を冠した。

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しかし、レオポルド2世自身はオーストラリアとの関係はまったくない。フォレストは、王がこれまで知られていない地域への「探検に関心」を持ってもらうため山脈に名をつけることを決意した。

ワイアット大臣は、「西オーストラリアとなんら関係がなく、多くのアフリカ人を陥れ、歴史が暴君と認めている人物の名を取り除く手段をようやく見つけることができ、嬉しく思う」と語った。


植民地主義の王

19世紀のコンゴの植民地化の残忍な政策で知られるベルギー王レオポルド2世の遺跡は、この間、米国で白人警官によって丸腰のアフリカ系米国人ジョージ・フロイド氏が殺害されたことを背景とする反人種差別の抗議行動を背景に、非難と冒涜を受けることとなった。

王の遺跡は、ブリュッセルやアントウェルペンを含めたベルギーのいくつかの都市ですぐに撤去がされた。何者かがモニュメントに赤ペンキをかけ、「息ができない!」と書き記した。この言葉は、ジョージ・フロイド氏が警察官に拘束された際に首を膝で抑えられ、亡くなる直前に訴えた言葉。

この他にも、活動家たちは、ブリュッセルの通りや広場から、植民地主義の王を象徴するすべての遺跡を撤去することを求める署名活動に取り組んだ。

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