パキスタン最高裁　カーン前首相の即刻釈放を命ず

パキスタンの最高裁判所は11日、政党「パキスタン政治運動」党首で前首相のイムラン・カーン氏の逮捕を違法とする判決を下し、政権に対し、同氏を即刻釈放するよう命じた。同国のテレビ局GeoTVが報じた。

カーン氏は9日、アル・カディル・トラストの資金を目的以外に使用した疑いで逮捕された。逮捕とともにカーン氏が党首を務める野党「パキスタン政治運動」が国民に対し、全土で大規模抗議行動を呼びかけた。抗議行動は9日夜の開始以来、現在に至るまで収まっていない。

パキスタンのアリフ・アルヴィ大統領は11日、警察がカーン氏を逮捕した様子を映した録画を見て、警察の態度があまりに残酷だったとして、ショックを受けたとする声明を表している。「不器用に傲慢さを振り回した逮捕だった。国際社会におけるパキスタンのイメージを傷つけた」

アルヴィ大統領は、シャバズ・シャリフ現首相にカーン氏の身の安全が確保されるよう、状況の注視を命じた。大統領は同時に残酷な逮捕の仕方であったことを憂慮し、「人は抵抗する権利を有すが、法の範囲で平和的に振舞わねばならない」と述べた。

イスラマバード市警はカーン前首相の他、「パキスタン政治運動」」党の他の幹部も逮捕している。