ベルルスコーニ元伊首相が死去

イタリアの首相を歴代務めたシルヴィオ・ベルルスコーニ氏がミラノの病院で死去した。享年86歳。現地のマスコミが報じた。

地元のコリエーレ・デラ・セラ紙は4月、ベルルスコーニ氏は重い白血病を患っていると報じていた。

シルヴィオ・ベルルスコーニ氏は1936年9月29日、銀行員の家庭に生まれた。1961年、ミラノ大学法学部を優秀な成績で卒業。ベルルスコーニ氏は学業の傍ら、クルージング船で歌手として働く。大学卒業後、建設会社を設立し、ミラノ郊外で宅地建設に従事した。

1970年代、ベルルスコーニ氏は建設業と並行して通信ビジネスに着手。1993年、実業界を離れ、政界への進出を決意したベルルスコーニ氏は、翌1994年1月、新政党「フォルツァ・イタリア」を立ち上げ、その翌年の1994年5月にはすでにイタリアの首相に選出された。

ベルルスコーニ氏の第1次政権は連立与党内の意見対立が原因でわずか8カ月で破綻。その後、2001年、2005年、2008年と3度首相職に返り咲き、あわせて4度の政権で3340日間、首相を務め、イタリア史上最長の内閣の2つを率いた。

ところが、ベルルスコーニ氏は一連のスキャンダルで訴追され、2011年11月12日に退陣に追い込まれる。20件を超す刑事事件容疑で訴えられたベルルスコーニ氏は2013年、公職から追放され、同年、懲役7年の判決が下された。

2015年、ナポリ裁判所はベルルスコーニ容疑者が2007年に政府転覆を図り、上院議員に賄賂を贈ったとして、有罪判決を下し、3年の禁固刑を言い渡した。しかし、判決に対する異議申し立ては2022年になっても続いていた。