脳腫瘍を93％の精度で発見　AIベースの新ツールが開発

ハーバード大学医学部（HMS）は、脳腫瘍と戦う脳神経外科医を助ける人工知能（AI）ベースの新しいツールを開発した。CHARM （Cryosection Histopathology Assessment and Review Machine、凍結切片病理組織学評価レビュー装置）と命名されたツールは93％の精度で脳に出来たがんを見つけることができる。開発の結果は米国の医療雑誌Medに掲載された。

従来の脳腫瘍の手術では、腫瘍の種類と悪性度を判断するには組織を採取して凍結し、それを分析するしかなかったが、この方法では細胞の外観は歪みやすい。ハーバード・メディカル・スクールは、より正確な評価を行うために人工知能の助けを借りた。

CHARMは、最も一般的で致命的な脳腫瘍である神経膠腫の患者1524人から採取した2334の脳腫瘍サンプルを用いて訓練された。CHARMはテストで腫瘍の遺伝子構成を解読し、腫瘍とその周辺組織の両方で分子レベルの変異を93％の精度で見つけることができた。

CHARMを使えば、医師は手術中に組織サンプルから神経膠腫腫瘍の分子構成に関する情報を数分で得ることができる。現在、このような分析には数日から数週間かかる。

研究者らは、現段階ではCHARMは神経膠腫を見極めるよう訓練されているものの、さらに他の形態の脳腫瘍を認識するように教えれば、治療の幅は広がると述べている。また、CHARMは、新しいがん研究の進展に合わせて常時更新ができる上、認識の効果を最大限引き上げ、アルゴリズムを改良するために医療関係者も積極的な協力ができる。

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