17:09 2018年10月19日
上海

世界の債券市場を揺るがす中国

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経済
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25日、上海証券取引所の主要指数である上海総合指数が3000ポイントの大台に乗った。このことの心理的な意味は大きい。株価は一日の取引を終えて7.63%下落した。2007年以来の記録である、月曜の8.6%に迫る数字だ。深セン証券取引所の深セン総合指数は火曜、7.09%下落した。これもほとんど月曜に並ぶ下げ幅だった。

連動して、例によって日本、シンガポール、インドなど、アジアの主要な取引所でも、株価が急落した。東京の取引でも主要指数が暴落した。日本の大手企業225社の株価を反映する日経株価指数は4%も下落、心理的に重要な閾値である18000ポイントを下回った。半年振りの水準だ。

「連鎖反応」は不可避である。中国の株価下落はどうしても、東・南アジアの証券市場の価格に響く。中国は何しろ世界第二の経済大国。地域、ひいては世界の、あらゆる経済、あらゆる金融にはかりしれない影響を持つのである。中国の株価下落は今後どのような動向をみせるのか。極東研究所のヤーコヴ・ベルゲル氏に話を聴いた。

「中国市場のボラティリティ要因は相当多く、誰にもしかと予測はできない。要因は経済的なものも政治的なものもあり、様々である。合理的な説明を超える主観的な要因も多い。たとえば、中国の有価証券の安定性が足りなく感じるだとか、中国通貨が不安定だとかといった感触などである。もちろん政府は安定化策をとっている。しかしそれは不十分なようだ。指導部には小さくない額の準備金がある。これで債券市場の乱高下を止めることはできる。手立ては部分的には打たれている。たとえば、年金基金の資金使用が解禁された。取引所を落ち着かせるための措置だ。しかし基金じたいが赤字なので、これだけでは不十分ではないのか、さらに追加の手立てを講ずる必要があるのではないか、と言う点が不明である」

あと数日のうちに中国およびアジアの証券取引所が安定するかどうかは、中国人民銀行がどれだけパニックを押さえ込むことが出来るか、その今後の方策にかかっていると言える。現代発展研究所のニキータ・マスレニコフ氏はそう語る。

「調整のための準備金は存在する。ここで必要なのは確実性ということなのであるが、実際のところ、中国の金融当局は非常に強く制約されている。なにしろ通貨の切り下げや債券市場の動揺は非常に深刻な社会的・政治的結果をまねくかもしれないのだ。上海および深センの取引所でここ数ヶ月見られる現象は、大なり小なりマネーゲームに参加している中国人数千万人にかかわる話だ。よって、下落は急には止まらない。下落は中国の金融システムの非常に多くの要素が極めて脆弱で、不安定で、未熟であることの証左なのだ」

トレンドを待ち、観察する必要がある。しかし、絶対に、これら事象の中国経済への影響を増幅してはならない。そう語るのはロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所のアレクサンドル・サリツキイ氏だ。

「基本的に、これはまあ、言ってみれば月並みな、いくらでも予測可能な動きだ。ほとんど普通一般のことで、中国経済そのものへの影響はそんなに大きくない。実体部門は引き続き成長していくだろう。それも、悪くないテンポで成長するだろう。ただ、上海およぼ深センにおける動きは、取引所の全体的な雰囲気に毒され、いわゆる金融グローバリゼーションという、しばしばその否定的側面が叫ばれる現象に巻き込まれている。これは、それぞれの国で財政を建設することを考える、再びめぐってきた機縁である。金融グローバリゼーションのもうひとつの恐ろしいところは、中国じしんは簡単に消化できるような事象が、他の国々にとっては、それよりはるかにドラマチックで、重大で、悲劇的なものになりえることである。この問題を何らかの高度なフォーラム、たとえばG20で取り上げるべき時かもしれない」

中国の証券取引所の暴落は習近平国家主席の米国訪問まで一ヶ月を切った時期に起きた。オバマ大統領との会談でこのことが取り上げられることは間違いない。

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